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御輿が客席に突っ込んでくる ミュージカル「ヘタリア〜The Fantastic World~」大阪感想(ネタバレあり)

ミュージカル「ヘタリア〜The Fantastic World~」 2023年4月8日(土) ソワレを見ました。これはその個人的な記録です。ネタバレがあります。まだ本作をご覧でない方は、ぜひおもちゃ箱を開けるように、あなた自身のご観劇・ご視聴を優先してください。

さて、ヘタミュ。私はヘタミュは一期(?)の3作(SW、GW、NW)を見て、ライブのWUも見たんですが、二期?はこちらが初めてでした。新衣装かっこいい……祖国が黒い……!(好き)

●会場

東大阪市文化創造館
Dream House 大ホール

東大阪だ〜……!(石切さんが近い。石切さんとヘタミュはしごしてるらしき人を私以外にも見た)
会場は駅すぐで便利。物販待つ間、屋外の2階で、風が吹きつけて寒かった……。
大ホールは一列ごとにちゃんと段差があって、見やすかったです。あと、ホールの出入り口の上にかかってる藍色の布、それこそ石切商店街にある「河内木綿はたおり工房」で作ったらしいです(たまたまお邪魔した工房で、偶然その話を聞いた)。

●キャラ

イタリア役:長江崚行
ぽやぽや度が増していないか!? なんだろう、気合いからの角張りみたいなものが取れたのかな。まろやかイタちゃん。しかしボケの鋭さは増していた気がする。セットを破壊しはじめる(「テープ取っちゃえ〜」)とか。すごい。進化。
メリに手押し車みたいにされてるところとか、何気に筋力を感じる。側転三連続もしてた。
日本のこと「優しすぎる」って言ってくれたところ本当によかったな。

ドイツ役:上田悠介
直近の作品を飛ばしてしまったため、おかえり感は共有できなかったのだが、安定のドイツだった。声が大きくて、一瞬ゴリラで、苦労に巻き込まれ……あとギルと抱き合ってた(偏った記憶)。すってんころりんコロンブスもやってくれた(笑っていい場面のような気がするけど、真面目なドイツがやってるとなんか笑えない。申し訳ない。)
ドイツ、厳格さを増してなかった? 物語上しょうがないけど、日本への当たりがきついように感じ……まあこれは私が日本(と似たタイプの感性を持っている)人だからやも。

日本役:植田圭輔
祖国……祖国……!! 祖国が歴史改変に突入して、はらはらしたよお……。他作品なのわかってても、歴史を変える行いにはらはらしてしまう……。
祖国の和装が見られて嬉しいです。こたつむりも。最後の歌で肉じゃがが出てきたのもSW思い出して嬉しい。……あの歌、まるかいて地球の二期的な、アニメ既出曲だったのだろうか? それともミュージカルのオリジナル?

アメリカ役:磯貝龍乎
圧が増していた。あんなに怖かったっけ……? 身体大きくなった?(?)
でも、バブ顔ハメも、服を当てたり外したりしながらドヤドヤ歩いてところも、夢遊病のアホっぽいところもよかったなあ。緩急……。さすがりゅこめりさん。

イギリス役:廣瀬大介
あの……カテコのとき……一歩引いて、両手を合わせて、ずっと頭下げてて、うっ……ひろせさん……。
あとカテコ前かな、すごいうろ覚えだけど、イタリアから何か望みを聞かれて、「この時間がずっと続けばいい」みたいにおっしゃった気がして、うっ……ひろりす……!
ばぶメリに合わせてばぶりすになってくれてたところよかった。高音が上手い。犬を気絶させるメシマズとか(そこはフランスの犬演技がうまかった)。

フランス役:寿里
ギャグ・モノマネ・いかがわしい話すべてに磨きがかかっていた。「お兄さんと夜のタッグマッチしよ♡(うろ覚え)」はいいのだろうか?? 三人くらいの尻を揉んでいた。
過去のお兄さん(布教時)の無責任ぽい雰囲気も新鮮で好き。

中国役:杉江大志
「ネコチャン……!」
影ナレがにーにで嬉しかったです。ミュにーに好き。体術も占術も扇術も見られて嬉しい……! あと卓球。歌がレベルアップしていたような気もする。ブルズさんとの千手観音みたいなダンス好き。
極東の卓球見せられたときには刀ミュトライアルで源氏兄弟の涙の抱擁見せられた時みたいな気持ちになった。しかしもちろんどっちも好きだよ。

スペイン役:山田ジェームス武
私はGWが現地じゃなかったのと、WUが例のあれじゃない幕張回だったので、もしかして生で見たの初めて?? そんな……WUのバクステ見すぎて知り合いかと思ってた……。印象の通り元気な親分だった。
ポルトガルさんもやっていたぞ! 私この人のことよく知らないと思って後で調べたらキャラデザ後発だったのだな……知らんわけだ……!

プロイセン役:高本学
ジャガイモ一辺倒!! メリとバトるところが何回かあって個人的に胸熱だった。
NWバクステ見て高本さんを愛せない奴がいるだろうか、いやいない。この間見たえいらぶでずずさま出た時「学さん!!」って感極まってしまった。ずずさま本当に目が開いてなかったな(そこ?)。今回のギルはしっかり者の立ち位置で、無茶苦茶なギャグの振りとかがなくて、変な話だが安心して見ていられた。「ケーッセッセッセッセ!」をドイツに「なんだ、このキモい笑い声は」とかなんとか言われていた(ヘタミュらしくて好き)。

オランダ役:磯野亨
実は彼のことをよく知らないまま見てしまったんですが、福井弁、ちはやふるの新で聞いてきたバフが乗って好感度が激高くなった。チューリップになるわ。さらに最後の客降りで隣を通っていかれました。事前に読んでたインタビュー記事で「表情が変わらない」とおっしゃっていたのですが、客降りもほぼ無表情で往復されていた。すっ、好き……!

●場面

注意事項のナレーション、吉谷さんだった……?(耳に自信がない……) 開演直前の影ナレはにーにでした。拍手が起きておった。ヘタミュに来た……という感慨。客席があったかいんだよね、ヘタミュ……。
そして開演前、緞帳のすぐ向こうから円陣の「パースター!(ドン(足音))」が肉声で聞こえて涙目になった。いる……!

今作は皆お着替えがあって眼福だった。にーにの赤チャイナ服……祖国の和装(そして帯刀……)。

メリとギルの旗振りの時だったか、ブルズさんが客席通路で旗振ってくれてて、あっこれ客降りあるやつ……!となりました。赤ちゃんメリとイタちゃんが連れ立ってファンサしに来ててかわいかった……。そんで最後に横をオランダさんが通っていかれた。尊い。

ちょこちょこ過去作のエッセンス入っててとても嬉しい。仏兄の「わざわざ歌にするほどでもない歌」とか。あと! 「また花が咲くその時まで」! が! アップテンポにアレンジされて入れ込まれていてこう……うっ……

第三幕のくだりの15秒のおふざけ、わけわからなくてほんと好き。無意味に起立してしまった。割と立ってる人いた。楽しかった。

最後、会場のホールを出て階段降りようとしたところで、人波の外から「ありがとうございました」って言いながら頭を下げている人がいて、首からスタッフ証下げてらっしゃる、どうも吉谷さん(演出家)らしい。わー。吉谷さんお見送りを浴びた……。私もありがとうございましたと言ってしまった。

●全体の感想

極東……!! 今作は極東がアツかった! 膝枕あり、バトルあり、ネコチャンあり、パンダあり、そしてバトルありの濃密な極東だった……。

ヘタミュは作中で思い切り笑えるから、心があったまってほどけて、いいところで思い切り泣ける。よいなあと思う。

この間まで荒川弘「銀の匙」を一気読みしていて、漫画的な表現が面白いなあと思っていた(「どうした、関節がむちゃくちゃになっているぞ」とか)。ヘタミュは舞台的な表現が面白い……とでも言うのか、爆風の中転がってくるのを側転とかで表したり、顔写真を嵌めたパネルで登山させたり……。あと、「第三幕」の茶番のところは、もしかして他に緞帳を下ろすシーンではいつも誰かしら緞帳の前に残って芝居を続けていたところ、第三幕のところでは誰も残らないから(どんなシーンだったか失念してしまったのだが……)、なんか寂しいなあとなって差し込まれたおふざけのようにも思われる。愛。

ヘタミュって、まるで客席もキャストと一緒に御輿をかつぐみたいに一緒になって盛り上がれる、お客さんもキャストである、っていう感覚があって、私はそれがすごく好き。今作は御輿かつぐどころか、御輿が客席に突っ込んできたみたいにパワーアップしているように感じました。が、もしかするとそれはヘタミュを愛してきた我々が、御輿に突撃している状態なのかもしれない。両想いだね。


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