えいえんくんときぼうちゃん5話
あたりはもうまっくらでした。
そうです。
まっくらさんが街にやってきてしまったのです。
まっくらさんは、街中のみんなの記憶をうばいます。
まっくらさんは、街中のみんなのあいをみえなくします。
きぼうちゃんはたいへんだとおもいます。
『わたしのせいでまちのみんなにめいわくがかかってまっている!!』
どうしよう。
どうしよう。
そのとき、くらやみのなかにえいえんくんがみえました。
ほっとしたつぎのしゅんかん、
くらやみのなかにぼーっとひかる、ひかりちゃんとてをつないでるようにみえました。
きぼうちゃんはきえてなくなりそうです。
なにがだめだったんだろう
さいきんうまれたきぼうちゃんと
なん億年まえからいるえいえんくんは
やっぱりはなれすぎていたのかもしれない。
そう思いました。
ひかりちゃんなら、きっとかれを照らしてくれる。何億年もいっしょだったひかりちゃんなら。それになんといってもまっくらさんのてんてきです。
ひかりちゃんといれば、どんなにつらいことがあってもえいえんくんはまっくらさんに負けません。
きっとずっとずっとえいえんくんをかがやかせてくれる。
きぼうちゃんはそうおもっていちどうまれかわることをけついしました。
まっくらさんとてをくみます。
しだいにいたみはいたすぎてかんじなくなりました。
まっくらさんはいいます。
『えいえんなんてあるのかわからないもの、おまえはどうしてしんじるんだ?』
もときぼうちゃんだったなにかがいいます
『もうわからない。だけど、すごく大切だったことは覚えてる。あったのかなかったのかもわからないけどはじめてのかんかくだったんだ。大切で大切で壊してしまいそうだったから、もういいの。』
まっくらさんはゆっくりうなずいて
それをのみこみます。
あたりは深い深いくらやみになってしまいました。
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