死神

 人生の終わりに、先生はわたしをみて言った。
「まだ、怖いですか?」
 答えはYes。
 そう答えると先生は懐から鎌を取り出した。
「そうですか……」
 先生は死神。わたしの命を狙っている。

 わたしは死ぬのが怖い。
 怖がりなわたしを、先生は何も言わずに待っている。
 覚悟ができるまで。

【死・人生・先生】

#掌編小説
#すくものノルマ

いいなと思ったら応援しよう!