【冒頭無料】2022年11月16日の米国株相場： 小売売上高・FRB高官の重要発言解説

開場の日は毎日お届けしている、米国相場解説。
今日もマーケットの動き、経済指標結果と重要動向、翌日の予定についてお届けします。

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ひと休み

堅調な小売売上高の結果も踏まえ、FRBが望む景気減速がまだ実現しきれていないことを受けて、主要株価指数はひと休みすることになりました。

S&P500

-1.54%📈 50日移動平均: -15%, 前日出来高比: -11%

今日1日の動き方としては、ほぼ横ばいの動き方を見せました。大きな材料はなく、出来高も少ない結果で終わりました。

S&P500 5分足チャート

日足チャートとしては以下のとおり、200日移動平均線を上値抵抗として、一旦休止した形になります。50日移動平均線をクロスし、登ってきた21日移動平均線がサポートラインになり得るかも注目です。

S&P500 日足チャート

NASDAQ

-0.83%📉 前日出来高比: -20%, 50日移動平均出来高比: -7%

NASDAQについても、ほぼ横ばいの動きで今日の相場を終えました。主要株価指数の中で最も50日移動平均線からの距離が近く、50日移動平均線が21日移動平均線を上回っている状態が続いていますので、クロスする上昇トレンドを築けるかが焦点となってきます。

NASDAQ 日足チャート

今日の経済指標結果

• 前週分（11/5-11/11）MBA住宅ローン申請指数［前週比］ 前回: -0.1% 予想: 0.0% 結果: 2.7%

住宅ローン申請指数は前回よりも上昇し、予想を上回りました。金融引締めの終わりが近づいている期待感と、市場予想を下回ったCPI・PPIの結果を踏まえて、楽観的な上昇相場が続いていますが、果たしてこの楽観的な考え方は裏切られないものなのか。

私はそうだと思っていませんが、悲劇は来年の話なので、一旦いまは足元の上昇トレンドにまだ乗るべきだと考えています。

• 10月 小売売上高[前月比] 前回: 0.0% 予想: 1.0% 結果: 1.3%

• 10月 小売売上高[前年比] 前回: 8.6% 予想: 8.0% 結果: 8.3% 

• 10月 小売売上高[コア・前月比] 前回: 0.1% 予想: 0.6% 結果: 1.3%

• 10月 小売売上高[コア・前年比] 前回: 9.3% 予想 8.7% 結果: 9.0%

小売売上高についてはいずれも予想を超える結果となりました。

長期スパンで捉えるとわかりやすいですが、本来前年比としては0〜7%程度の推移で動くもので、コロナ後の経済回復から1年程度経過した今もその水準よりも上と考えると、今回の結果は高いと考えるのが自然だと思います。

この推移を見ても分かるように、個人消費の強さは保っており、景気後退のリスクについてはまだ十分に債券・株式市場も織り込んでいない環境なので、来年は景気後退の色が強くなってくる相場展開だと予想しています。

• 10月 輸入物価指数[前月比] 前回: -1.2% 予想: -0.5% 結果: -0.2%

• 10月 輸入物価指数[前年比] 前回: 6.0% 予想: 4.2% 結果: 4.2%

• 10月 輸出物価指数 前回: -0.8% 予想: -0.5% 結果: -0.3%

• 10月 鉱工業生産指数 前回: 0.4% 予想: 0.2% 結果: -0.1%

• 10月 鉱工業生産指数[設備稼働率] 前回: 80.3% 予想: 80.4% 結果: 79.9%

• 9月 企業在庫 前回: 0.8% 予想: 0.6% 結果: 0.4%

• 11月 NAHB住宅市場指数 前回: 38 予想: 37 結果: 33

• 前週分（11/5 - 11/11）原油在庫［前週比］ 前回: 392.5万バレル 予想: -185.0万バレル 結果: -540.0万バレル

• 前週分（11/5 - 11/11）ガソリン在庫［前週比］ 前回: -90.0万バレル 予想: 18.0万バレル 結果: 220.7万バレル

• 前週分（11/5 - 11/11）留出油在庫［前週比］ 前回: -52.1万バレル 予想: -102.0万バレル 結果: 112.0万バレル

• 9月 対米証券投資 前回: 1979億ﾄﾞﾙ 予想: 0.0% 結果: 1180億ﾄﾞﾙ

• 9月 対米証券投資[ネットTICフロー合計] 前回: 2756億ﾄﾞﾙ 予想: 0.0% 結果: 309億ﾄﾞﾙ

その他の指標で、新たな材料になり得る情報はなかったと思います。

明日の重要イベント

• 前週分（10/30-11/5） 新規失業保険申請件数［前週比］ 前回: 21.7万件 予想: 21.9万件

• 前週分（10/23-10/29） 失業保険継続受給者数［継続受給者］ 前回: 149.3万件 予想: ---

• 10月 住宅着工件数 前回: 143.9万件 予想: 141.0万件

• 10月 住宅着工件数[前月比] 前回: -8.1% 予想: -1.3%

• 10月 住宅着工件数[住宅建築許可件数] 前回: 156.4万件 予想: 150.9万件

• 10月 住宅着工件数[住宅建築許可件数(前月比)] 前回: 1.4% 予想: -3.0%

• 11月 フィラデルフィア連銀景況指数 前回: -8.7 予想: -6

• ミシェル・ボウマンFRB理事が発言予定

• フィリップ・ジェファーソンFRB理事が発言予定

後半は購読者向けに今日あったFRB高官の発言について、深堀り解説していきます。

・ジョン・ウィリアムズNY連銀総裁「利上げ審議に、金融リスクを考慮するべきではない」と指摘
・メアリー・デイリーSF連銀総裁「金利ピークは4.75%〜5.25%が妥当」と発言