2022年7月25日の米国株相場
今回のインフレで最も大きな課題の1つは、需要と供給のバランスが崩れていること。すなわち、需要に対して供給が追いついていないせいです。
パウエル議長も前回のFOMCで記者から説明を求められた際に、この説明を行い、FRBとしては供給サイドを短期間に回復させる術はないことを明らかにしました。
では誰が供給サイドの鍵を握るのか。その1つが、ロシアです。
ノードストリームの流量、半減へ
先週木曜日にモスクワが10日間のメンテナンス期間を終えても、パイプライン「ノードストリーム 1」が再開せず、このまま停止するのではないかと噂されました。
結局、ノードストリームの再開決定日当日の午前中にメンテナンス前の最大容量の約40%程度が再開することをドイツ政府は確認し、安堵していました。
しかし、今日新たにロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが今週水曜日からパイプライン用の別タービンがメンテナンスのため、容量をさらに半減させることを発表。以前のメンテナンス前から最大でも約20%程度の送量になることを意味します。
欧州ガス先物(TTF)は10%以上の上昇を見せました。
昨日解説した小麦を含めて、コモディティは基本的にロシア・ウクライナ危機前の水準に戻りましたが、ガスだけは上昇を続けており、安定供給への見通しが立たないことから今後も上昇が続くことと見られます。
アップル、中国市場向けにiPhoneの値引きを実施
中国は相変わらずゼロコロナ政策に伴うロックダウンで個人消費が停滞している中、アップルは異例とも言える最上位モデル(iPhone13 Pro & iPhone 13 Pro Max)の値引きを公式サイトで告知しました。
値引き幅は小売価格から600元(89ドル)を予定しており、iPhone13シリーズ以外にもiPhone SEやApple Watch、AirPods Proなども対象になります。
今年の秋もiPhoneの最新シリーズの発表が行われることを見越し、余剰在庫の放出と思われます。
ただ、木曜日に決算発表が控える中でこの発表を行う裏には決算ミスの可能性が示唆されます。アップルの決算ミスには半導体銘柄も打撃を受けることになるため、注意が必要です。
株式
ニューヨーク時間午後4時現在、S&P500は0.1%上昇した
ナスダック100は0.5%の下落
ダウ平均株価は0.3%の上昇
通貨
ユーロは0.1%上昇し1.0227ドル
英ポンドは0.5%上昇の1.2053ドル
日本円は0.4%下落し、1ドル=136.62円となった
債券
10年物国債利回りは6ベーシスポイント上昇し、2.81%になりました。
ドイツの10年債利回りは1ベーシスポイント低下して1.02%へ
英国の10年債利回りは1.94%と小幅な変動に留まった
コモディティ
ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は2.2%上昇し、1バレル96.75ドルとなりました。
金先物は0.5%下落し、1オンス=1736ドル
経済指標
米国において注目度の高い指標の発表はありませんでした
英産業連盟(CBI)が発表する英製造業生産は減速、インフレ期待はピーク脱却したように見えています
明日の重要イベント
米)住宅価格指数 前回 1.6%, 予想 1.6%
米)S&P/ケース・シラー住宅価格指数 前回 21.23%, 予想 20.6%
米)消費者信頼感指数 前回 98.7, 予想 96.9
米)リッチモンド連銀製造業指数 前回 -11.0, 予想 -18.0
米)新築住宅販売件数 前回 69.6万件, 予想 0.0669万件
米)新築住宅販売件数[前月比] 前回 10.7%, 予想 -4.5%
米)5年債入札
また、アルファベット(Google)、Microsoftなどの決算発表が予定されています。
ここから先は
米国株解説マガジン2022
マネーリテラシーを高めていきたいものの、株についてどのように学べばよいか分からない。そんな方に向けて日々の相場に関する情報をまとめてお届け…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?