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2022年8月17日の米国株相場: 7月FOMC議事録公開

Yuta Sugii

これまでお伝えしてきたように、FOMC議事録の内容はやはりハト派の印象が強めの内容でした。

ただ、FOMC議事録が公開される前に債券市場の利上げに対する弱い織り込みを巻き返す勢いで債権利回りが上昇し、FOMC議事録が公開直後に下げるような落ち着きのない様相を示しました。

金利動向を踏まえる形で米国株は4日ぶりに下落しました。


株式

  • S&P500は0.7%下落

  • ナスダック100は1.2%の下落

  • ダウ平均株価は0.5%の下落

通貨

  • ユーロは1.0180ドルと小幅な変動に留まった

  • 英ポンドは0.4%下落の1.2051ドル

  • 日本円は0.6%下落し、1ドル=135.02円

債券

  • 10年物国債利回りは9ベーシスポイント上昇し、2.89%に

  • ドイツの10年債利回りは11ベーシスポイント上昇し1.08%へ

  • 英国の10年債利回りは16ベーシスポイント上昇し2.29%へ

コモディティ

  • ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は1.4%上昇し、1バレル87.71ドル

  • 金先物は0.6%下落の1オンス=1779.70ドル

今日の発表指数

  • 前週分(8/6-8/12)MBA住宅ローン申請指数 前回: 0.2% 結果: -2.3%

  • 7月 小売売上高[前月比] 前回: 1.0% 予想: 0.2% 結果: 0.0%

  • 7月 小売売上高(除自動車コア)[前月比] 前回: 1.0% 予想: 0.2% 結果: 0.4%

  • 6月 企業在庫[前月比] 前回: 1.4% 予想: 1.4% 結果: 1.4%

  • 前週分(8/6-8/12)原油在庫[前週比]
    前回: 545.7万バレル 結果: -705.6万バレル

  • 前週分(8/6-8/12)ガソリン在庫[前週比]
    前回: -497.8万バレル 結果: -464.2万バレル

  • 前週分(8/6-8/12)留出油在庫[前週比]
    前回: 216.6万バレル 結果: 76.6万バレル

明日の重要イベント

明日は景気動向に関する指数が発表予定です。

  • 8月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 前回: -12.3 予想: -5.0

  • 前週分(8/7-8/13) 新規失業保険申請件数 前回: 26.2万件 予想: 26.5万件

  • 前週分(7/31-8/6) 失業保険継続受給者数 前回: 142.8万件 予想: 145.0万人

  • 7月 中古住宅販売件数[年率換算件数] 前回: 512万件 予想: 487万件

  • 7月 中古住宅販売件数[前月比] 前回: -5.4% 予想: -5.3%

  • 7月 景気先行指標総合指数[前月比] 前回: -0.8% 予想: -0.5%


政策金利の引き上げペースを減速させることを初めて示唆

今回のFOMC議事録の中で、最も重要なポイントは以下の項目でした。

In discussing potential policy actions at upcoming meetings, participants continued to anticipate that ongoing increases in the target range for the federal funds rate would be appropriate to achieve the Committee's objectives. With inflation remaining well above the Committee's objective, participants judged that moving to a restrictive stance of policy was required to meet the Committee's legislative mandate to promote maximum employment and price stability. Participants concurred that the pace of policy rate increases and the extent of future policy tightening would depend on the implications of incoming information for the economic outlook and risks to the outlook. Participants judged that, as the stance of monetary policy tightened further, it likely would become appropriate at some point to slow the pace of policy rate increases while assessing the effects of cumulative policy adjustments on economic activity and inflation.

今後の会合での潜在的な政策措置について議論する中で、参加者は、委員会の目的を達成するためには、政策金利の目標レンジを継続的に引き上げることが適切であると引き続き予想した。インフレ率が委員会の目標を大幅に上回って推移していることから、参加者は、最大限の雇用と物価の安定を促進するという委員会の立法上の任務を果たすためには、制限的な政策スタンスに移行することが必要であると判断した。
参加者は、政策金利の引き上げペースと将来の引き締めの程度は、入ってくる情報が経済見通しと見通しに対するリスクに与える影響に左右されるとの見解で一致。
参加者は、金融政策のスタンスが更に引き締まるにつれ、経済活動やインフレに対する累積的な政策調整の効果を評価しつつ、政策金利の引き上げペースを減速させることが、ある時点で適切になる可能性が高いと判断した。

2022年7月FOMC議事録より抜粋

FRBは足元の経済動向が軟化していることに対して特に今回のFOMCでは強い懸念を示しており、実体経済への影響に対してどれだけの影響効果があったのかを評価するために、引き締めのペースを減速させていくと記載がありました。

この経緯を踏まえた上で、7月のFOMCでパウエル議長はハト派の声明文章を発表することになります。


9月FOMCでは50bpsの利上げか

Nearly all respondents to the Desk survey anticipated a 75 basis point increase in the target range at the current meeting, and most expected a 50 basis point increase in September to follow.

政策見通しに関する評価では、市場参加者は、委員会が現在の高めのインフレ水準に対応するため、今後の会合で大幅な政策引き締めを実施すると予想した。デスク・サーベイでは、ほぼ全ての回答者が今回の会合で目標レンジを75bp引き上げ、続く9月にも50bpの引き上げを予想した。

次回のFOMCでは50bpsの引き上げをFRBは示唆しました。その結果、政策金利先物は50bps予測に6割以上傾く結果になっています。

今回の議事録開示前は75bps予想が6割を超えていました


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後半は購読者限定コンテンツとして、上記の出来事を踏まえた上での解説になります。購読者向けに以下のコンテンツをご覧いただけます。

・FOMC議事録が相場に与えたもの
・これまで上昇を見せてきた株式市場が失った「2つの後ろ盾」
・急速に需要が回復している原油価格に関する重要な動向

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Yuta Sugii
英国ロンドン在住MBA。経済ニュースや株式相場についてより理解を深められる解説記事を連載しています。Twitter: https://twitter.com/u_sgy