いま1向聴の人が次巡聴牌する確率は〇〇.〇%
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こんにちは、夕灘です。
本記事の概要
最近某プロからTwitterのリプで教えてもらった下記サイトとそのデータがある。
リンク先の記事の内容は、各巡目における各向聴数の比率データとなっている。また、各巡目の平均向聴数の記載や、巡目ごとの和了数が記載されている。(集計は1年間の天鳳鳳凰卓東南戦)
例えば6巡目であれば、聴牌していること8.60%、1向聴であること33.80%、2向聴であること40.60%、、、といった具合だ。
また、6巡目の平均向聴数は1.68なので、6巡目に2向聴であれば平均よりやや進行が遅れていると考えることができる。
このデータから、自手の進行速度や、他家がどれくらいの確率で1向聴になっているのか、こういったことを考えることができる。
と言ってもあくまでこれは統計上のデータで、他家に対して用いる場合、河の情報などから推測できる内容の方が、精度は高いと思う。一方で自手の進行速度が平均的に見てどうなのか、これは絶対的な指標として使えるので覚えておく価値がありそうだ。
さて、今回の記事は、これらのデータから新たなデータを計算したものになる。皆さんもご自身で計算すれば得られる値ではあるが、無料部分で「聴牌していないとわかっている場合、1向聴の確率」を、有料部分で「いま1向聴の人が次巡聴牌をする確率」を公開する。
有料部分の「いま1向聴の人が次巡聴牌をする確率」のデータから、例えば「8巡目に安牌を抱えるかブクブクにするか悩む」といったよくある状況で、「ほぼ1向聴と思われる他家が、同巡で立直をしてくる確率」がわかる。この確率が○○%だから安牌を抱えよう、とか、いやまだブクブクにして勝負だ、とか、そういった判断への活用が想定される。
元データの仕様・前提について
上記記事からもリンクが伸びているが、仕様について記載があるページは以下のリンク先から見ることができる。
前提はどうでもいいから結論が知りたい!という方は、この章は読み飛ばしていただいて構わない。
さて、当データは2016年の天鳳鳳凰卓 半荘戦(赤あり)の全159,798半荘、1,710,645局からなる。
天鳳ではトビあり、ダブロンありのルールを採用しているため、Mルールとはやや異なることを留意してほしい。
ダブロンについては2回の和了りとして計上している。
巡目の定義として、配牌を0巡目、第1打牌直後を1巡目としている。これが少し混乱を生むので注意したい。
例えばあなたが南家の場合、東家が7巡目となる場合はまだ西家と北家は6巡目である。つまり、東家の聴牌確率は18.10%だが、他2者は13.10%となる。
「巡目ごとの向聴数」のデータは、和了っていない場合のデータである(打牌後のデータなので、当然といえば当然だが・・・)
一度、このデータを元記事から転記する。
毎巡和了りが発生した数の約4倍だけ分母の局数が減っていることに注意したい。
また、「巡目ごとの聴牌率・累計立直率・累計和了率」というデータがあり、のちほど使用するため、こちらも転記する
ここにある「累計リーチ率」とは、「和了数/総局数/4」を足していったもので、つまり終局までに1人のプレイヤーが和了りに辿り着ける確率は21%ということを示しているようだ(定義が明記されていないので、がんばって計算して確かめました…)
後に使用する際に、加工をして必要な情報を抽出する。
聴牌していないとわかっている場合、1向聴の確率
無論他家が聴牌していないと言い切れることは無いのだが、ほぼノーテンだろうと読み切れるシーンは多数存在する。点数状況的にダマの出和了りはしないであろう時なんかはそうだし、特にリア麻においては、よそ見していて他家の打牌を見ていないとか、手の迷いとかでノーテンが透けることがある。
さて、仮に他家がノーテンだとした場合、それが1向聴である確率はどれくらいなのか?
これは元データからは簡単に計算ができて、単純に表1のデータから聴牌の確率を除き、それを1として計算しなおせばいいだけ。
3~7巡目までは8%ずつ1向聴の確率が上がっていき、
9巡目を過ぎると半分以上のノーテンの人が1向聴となる。
このデータは、他に先制リーチ者がいてオリている人もいるということを考えると、誰も聴牌していないような状況であれば、表3の数値以上に1向聴の人の割合は高いと考察される。
また、終盤では1向聴の確率は下がっていく。これは、ベタオリをして1向聴からさらに手を崩す人が増えるからだろう。
いま1向聴の人が次巡聴牌をする確率
さて、前章のような他家がノーテンと透けるケースのうち、更にほぼ1向聴だと推測できることも少なくないだろう。
ドラの切るタイミングとか、安牌を切っているとか、ケースは様々だ。
あなたは自手の進行で、安牌を抱えるかブクブクに構えるか迷うことはよくないだろうか?
1向聴と推測できるなら、当然次巡にリーチを打たれる可能性があるわけだから、それに備えたいと考える。では、どれくらいの確率で、1向聴の人は次巡に聴牌できるのだろうか?
このデータを知っていると、心理的に安牌を抱えるかフォロー牌を残すか、判断がしやすくなるだろう。
これから表1と表2のデータを組み合わせていくのだが、各データの分母に注意を払いたい。表1のデータは各巡目においての各プレイヤーの向聴数を集計しているデータなので、分母は総局数の4倍になる。そこから毎巡和了りが発生したぶんだけ分母が減っていくのだが、減る数は表2の和了数ずつではなく、和了数の4倍だ(=誰かが和了れば終局するため)。
正確にはダブロンやトリロン流局があるのだが、これについてはいつどれくらい発生したかわからないので無視する。その分、以降のデータに誤差があることを許して欲しい。
ちなみに、流局数と和了総数とのギャップは4971で、これがダブロン数とトリロン流局数の和にあたる。
1巡目の途中流局は元データ時点で弾いていると思いたいが、明記はされていない…
前置きはこれくらいにして、まず、表2のデータから、各巡目に和了りが発生する確率や、各向聴に属する人数を算出した。
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