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はやい所作は恐いんです

(この記事は2063字、約4分で読めます)

こんにちは、夕灘ゆうなだです。

競技麻雀イベントに参加してると、「この人強いな」ってビビりながら東1局を迎えることがあります。初見の人と対局が始まったばかりなのに、なぜそう思うのかというと、それは摸打がめちゃめちゃ速いからです。前時代的麻雀漫画のキャラかよってくらい、山から引くのと河に並べるのが速い。雀鬼流っぽいとも言えます

アマチュアが参加する競技麻雀っていうのは、もう殆ど全て時間制限があります。複数卓が複数回戦戦うので当然ですよね。そうなると、北家スタートは親番がまわりづらく不利になりますから、そういった公平性を欠くことのないよう、少しでも早く打ってオーラスまで局をまわしましょうという風に考えるのが、アマチュア競技麻雀の基本的な考え方です。

じゃあ、摸打は速けりゃ速いほど良いのか?っていうと、そうではないんじゃないですか?っていうのが今日のテーマです。

色んなとこで打つと、ひとくちにアマ競技と言っても色んな考え方の方がいます。中には「摸打は速けりゃ速いほどいい」と信じて意識しているんだろうなーって感じさせる人もいます。

もちろん、フリー歴が長い人なんかは、特に意識もなくめちゃめちゃ速い摸打が染み付いている方もいらっしゃるでしょう。そういう方に意見するのは今回ちょっと難しいですが、今日はあくまで、速い摸打を前にした人がどう感じるのかってことを知っていただくのが目標です


速い摸打は恐いんです

ハートランドさんでもアエルさんでも夢道場でも、どこのアマチュア競技イベントに行っても、洗練された速い摸打をされる方はいらっしゃいます。

速い摸打を前にした私が抱く感情や抱き得るだろう感情をピックアップしてみましょう。
「焦らされている」
恐い顔して速く打たれると、同じ速さを強要されているような強迫観念を覚えます
「暴力的だ」
速く手を動かすということ自体が、暴力を連想させます。つまるところ、今回のテーマ「速い摸打」の速さの定義は、パンチとして成立する速さに至っているか、と言えるでしょう

これを解消するには、「その手の動きの速さでパンチされても恐くない」と思うくらいの速さに抑えることがアンサーだと思います

どれくらいの速さから麻雀的に「速い」と感じるかは人それぞれですが、
どのくらいの速さの腕の動きから「暴力」と感じるかは、あまり人によって大差ないんじゃないでしょうか?

競技麻雀を普及したいなら

別にフリーが主戦場のアマチュアの方にとってはどうでもいい話だと思いますが、プロならば志同じく競技麻雀の普及に前向きな思想は持っているのではないでしょうか?

「競技麻雀の普及」は「違法性からの脱却」と表裏一体です。「違法性からの脱却」には、「賭博イメージからの脱却」や「暴力団イメージからの脱却」が包含されます。

にもかかわらず、アマチュアの前で麻雀をする姿に「暴力」を連想させてどうするのです。「恐い」や「痛い」を連想させてどうするのです。

そんな連想をした人々がアマチュア競技麻雀の世界に足を踏み入れることは金輪際なくなってしまうでしょう。

「Mリーグを観て競技麻雀に興味を持って~…」と言って初めて競技麻雀イベントに来たら、コワモテの男性4人が鋭い眼光で、目にも止まらぬ速さで山からツモっては正拳突きのように打牌している光景を目にすることになるのです。半ベソかいちゃいますよね

アマ競技とプロ競技の線引き

これはなんら根拠のない個人的な考えですが、プロとアマとの境界に「摸打の速さ」の考え方の違いを見出したいと考えます。

つまり、前述した配慮があるのがアマチュア、原則速けりゃ速いほどいいのがプロ、ということです

競技における理想的な速さは、ツモ前に一拍を置くなど、必要な間を置きつつも、いち動作ごとを最速化するイメージです

摸打の速さには戦術的要素もあります。麻雀は思考リソースのマネジメントと奪い合いという要素があると思っていて、速い摸打は高密度な、つまり短時間に多くの情報を他家に与えることができ、戦術的に有効なのです

それを狙ってアマチュア競技で速い摸打をされているのであれば、まぁルールにもマナーにも抵触していない以上、なにも咎めることはできませんが…


最後に主張したいこととして、大抵のアマチュア競技麻雀は制限時間が50分です。よほどもったりした遅い動作でなければ__暴力性の感じない柔らかくも速い摸打であれば、大抵は時間内に終局できます。そんな腕が線に見えるような速い摸打じゃなくても間に合います

そして、その速い摸打で貴方の脳がついていけるのであれば結構ですが、そうでないなら結局あなたがツモってから切るまでにかかる時間は変わりません。超高速で牌を引いてきて、0.5秒手を止めて判断し、牌を超高速でき切るのであれば、その0.5秒を引いてくる動作にまわして、牌を持って来ながら考えても、時間的には変わりません

とにかく速く打とうとしている方々には、ぜひこの記事に書かれたことを一度考えてみていただきたい。あなたの闘牌姿、恐くないですか?

(了)


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