浮遊する青


目を覚ますと、薄明るい部屋が目に映る。
(あれ?寝るとき真っ暗にしたはず)

上半身だけを起こすと、
カーテンが全開になった大きな窓ガラス越しに、薄らと光る複数の青い線が浮遊している。

それは何かの形を描いていて、奥の方から手前の方まで不規則に浮遊を繰り返す。
折り重なるように見えるその絵がいくつあるのか分からないが、
手前の薄く青い線たちは大きな人の形を描いていることは、なんとなく分かった。
とても大きくて、まるで花火を見上げているようだ。

下の階の方へ下がり、姿が見えなくなったかと思うと、また目の前の大きな窓ガラス越しに下から現れる。

気持ちこっちに近づいてるような気がする。


「…連れていってくれないかな?」



とても綺麗だったから。




fin.

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