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届きそうで足りない今日を越えて ~NELN 無期限活動休止に寄せて~

2023年7月14日(金)
ひとつの女性アイドルグループが無期限活動休止となった。

グループの名前は「NELN」
いわゆる「ライブアイドル」「地下アイドル」と呼ばれる存在。

2021年1月に出会い、約2年半の間、定期的に通った現場。
ライブアイドルを趣味にしてから、初経験となる「主現場の終わり」だった。

文字として残したいけど「それが何か」が全然まとまらなくて、気がつけばラストライブから1ヶ月が経過してしまった。

今も、正直見えてない。
だけど、このままだと感情が風化してしまう。
それは…避けたい。

加えて、この1ヶ月は感情を風化させないよう、他事を深く考えることを避けていたようにも思う。
それも健全ではない気がする。

なので、とりあえず書き始めてみる。

ゴールが見えない、恐らくポジティブでもネガティブでもない…まだら模様な記事になると思いますが、よろしければ最後までお付き合いください。


”NELN”について

クラウディ所属の女性アイドルグループ

2020年4月19日、初MV公開
2020年8月28日、初ライブ
2023年7月14日、ラストライブを持って無期限活動休止
活動期間、1,182日(3年2ヶ月26日)※初MV公開から換算

結成当初はblowout所属
2021年10月頃(恐らく)より現所属

活動休止時のメンバーは「NATSUMI」「KARIN」「QLMI」の3名
以前には「AKARI」「MAO」が在籍

コンセプトは「NEO NERD LOVELY」
結成当初は「目を閉じて、夢は自由。」も使用

プロデューサーは映像作家である森岡千織氏(作詞も担当)
※blowout時代は森岡氏がクリエイティブプロデューサー、blowout代表の一ノ宮佑貴氏がビジネスプロデューサーをそれぞれ担当

サウンドプロデューサーはShinnosuke Nakasone氏
振付はRyojiro氏

主な活動記録

「第◯期」は公式ではなく自身の感覚。あしからず。

第1期:2020年4月~2021年6月(4人体制)
・12ヶ月連続 新曲&MV公開(2020年4月~2021年3月)
・お披露目ライブ「Welcome to the NELN's World.」開催(2020年8月28日)
・1stCD「Predawn」発売(2020年8月28日)
・デビュー1周年記念ライブ「NELN 1st Anniversary One-man Live」開催(2021年4月18日)
・AKARI卒業(2021年6月9日)

第2期:2021年6月~2022年1月(前3人体制)
・1stアルバム「dawn」発売(2021年7月13日)
・「SUMMERY」「デジャヴ」配信開始(2021年7月14日)
・「KARIN・MAO 合同生誕祭」開催(2021年9月13日)
・「まくら投げ大会 vol.4 ~NATSUMI生誕祭~」開催(2021年12月27日)
・「ストロベリー」配信開始(2022年1月1日)
・MAO卒業(2022年1月3日)

第2.5期:2022年1月~2022年4月(2人体制)
・「まくら投げ大会 vol.5」開催(2022年1月22日)

第3期:2022年4月~2023年7月(現3人体制)
・QLMI加入(2022年4月9日)
・ワンマンライブ「Brand New Lovely…」開催(2022年4月23日)
・5ヶ月連続 新曲&MV公開(2022年6月~12月)※実際は7ヶ月間
・再録アルバム「Re:dawn」1stEP「Compact」配信開始(2022年11月23日)
・NELN One-man Live「HEY!」開催(2022年11月30日)
・NELN One-man Live「PAUSE」開催(2023年7月14日)
・無期限活動休止(2023年7月14日)

”NELN”と自分

初現場:2021年1月31日(「タイトル未定が贈る3マンライブ」
参戦回数:122回
応援スタイル:ライブ中心、特典会は最低限、映像(MVや配信)の鑑賞機会は少ない
推しメン:NATSUMIさん

通い始めたきっかけ

初現場の時(2021年頭)は個推しを軸とした主現場を失っていた。
(tipToe.2期の推しが前年12月に脱退したため)
そんな中で「何か」を探していて行き着いたのがNELNだった。

元々「桜エビ~ず(現ukka)」が好きで、桜エビと同じ「12ヶ月連続、新曲リリース」という施策がフックになった。
その後、プロデューサーの森岡さんが桜エビのMVを手掛けていたことを知って納得。

同時期に1stワンマンに向けてのフリーライブを結構な頻度で実施していたこともあって、2021年2月には定着&主現場となった。

2021年

参戦回数、64回。
ダブル主現場の一角を構成(もう一角はクマリデパート)

良くも悪くも、この年が一番濃かったように思う。
「4人体制→3人体制→2人体制が確定(実際には翌年1月から)」の流れは今思い返してみてもジェットコースター感がある。
大変なこともあったけど楽しいこともたくさんあった1年。

2022年

参戦回数、40回。
グループ別観戦回数としては5位。
他グループと比べてライブ数自体が少なかった影響が大きいけど、集計時には結構ショックだった。

ダブル主現場の中でも「クマリデパート>NELN」と優先度に差がついた年でもある。
クマリの日本武道館公演発表以降、それが明確になった。
グループとしての物語が動くことの影響力を良くも悪くも実感した。
そこに抗う強さは持っていなかった。

2023年

参戦回数、18回(1月~7月中旬)

年明けは目に見えて参戦回数が減っていた。
ライブに通う目的が見えなくなって、足が遠のいた。
とはいえ存在は好きなままで…何というか「あまり帰らない実家」ような存在になっていた。
この段階で「NELNの現役オタク」としては終わっていたのかなと思う。

そんな中、6月頭に無期限活動休止が発表。
以降はそれなりに頻度を上げながらラストライブの日を迎えた。
ラストライブの2日後のラスト特典会は他グループの遠征で不参加。

”NELN”に通っていた理由

「なんでNELNに通ってるの?」
この2年半の間、何回聞かれたのかわからない問い。

純粋な興味もあれば(大半はそう)ちょっとした悪気もあったりする。
NELNにそれなりに通っていた人は、誰しも経験したことがあるのではないだろうか?
(その意味では知名度は結構あったのだなと思ったりする)

この問いに上手く答えられたことがない。
なぜなら自分でも言語化できていないかったからだ。

明確であれば「◯◯だから来てよ!」と言えるのに…それができない自分は「楽曲もパフォーマンスもいいから、対バンで被ることがあれば観てみてよ」と伝えるのが限界だった。
(それでも観てくれる人がいたことには本当に感謝してる)

「なんでNELNに通ってるの?」
改めて自分に問いかけてみる。

無理やり答えるなら「全部」なんだと思う。

「全部」とは?

「洗練された楽曲&映像」「洗練されない現場運営」
「驚くぐらいのいいライブ」「驚くぐらいの微妙なライブ」
「推しの歌声&表情」「推しとの雑な会話」
「独特な現場の雰囲気」「”外”と”中”との温度感の違い」
「今を生きている充実感」「未来が見えない不安感」

ざっくり

とかかな。

清濁のコントラストがあまりにも鮮烈で。
いつの間にか目を離すことができなくなっていた。

書き出してみて思うのは、それぞれの要素に愛着があるんだなと。
やっぱり好きな現場だったんだ…と思った。

”NELN”とは?

自身の気持ちが割と整理できたので、少し調子にのってグループ全体の感想を書いてみたい。
何を偉そうに…となると思うので、飛ばしてもらって大丈夫です。

座組の変遷

「アイドルを通して新しいエンターテイメントを創ろう」というプロジェクトから生み出されたNELN(参考:https://natalie.mu/music/news/375368

・ビジネスプロデューサー:blowout(一ノ宮氏)
・クリエイティブプロデューサー:森岡氏
という両輪で目的の実現を目指していた。

ところが、お披露目ライブから約1年後の2021年秋。
blowoutが撤退を決める。
この段階で既存ライブアイドルに見切りをつけたのではないだろうか。
(その後、一ノ宮さんがメジャーグループとのビジネスを始めたのはその証左だなと感じている)

その結果、クリエイティブプロデューサーを担当していた森岡さんがビジネス面も含めて担当することになった。
(少なくとも表面上のクレジットとしては新たにビジネス面を担っていた人は居なかったように思う)

「映像屋」によるライブアイドル運営

専門業の人を「◯◯屋」と呼ぶことがある。
それに習えば森岡さんは「映像屋」であり、最後まで「ライブアイドル屋」にはならなかったと思っている。

自身としてはblowout離脱後のNELNは「映像屋さんがライブアイドルで収益を得る」という挑戦だと捉えていた。

結果として無期限活動休止を迎えたことを思えば、それは難しかった&相性がよくなかったことなのかなと受け止めている。

日々のライブ

NELNは兎に角、ライブアイドルの日常といえる日々のライブに興味がなかった。
(ように感じていた。実際はリソース不足だっただけかもしれない)

グループとして、日々のライブは
・多少の日銭を稼ぐ場所
・映像素材を収録する場所
という存在でしかなかったのかな…というのが率直な気持ち。

ライブアイドルとして目指す先や方向性がわからなかった。

3人体制お披露目ライブ(2022年4月23日)での映像(VJ)を多用した演出の方向にいくかと思いきや、その次のワンマン(2022年11月30日)では映像無しとなるなど。

現実は見えるけど、理想は見えなかった。
NELNのライブはいつも無味乾燥な空間から始まっていた。

ただ、それは一概に悪いことでもなかった。
裏を返せば「好きなように色付けができる」ということでもある。

事実、日々のライブはメンバーとファンによって様々な色に彩られていた。
その日にしか観れない景色が広がっていた。
それはとても面白くて、惹かれるものがあった。

「セルフディレクション」
それがNELNライブの魅力の本質だったように思う。

メンバーは各々でパフォーマンスの向上を目指していた。
推しメンでいえば、表現力や歌唱力は間違いなく伸びていった。
他のメンバーもそれぞれの考えで成長していっていたと思う。
(詳しくは他推しに聞いて欲しい)

ファンも負けじと(?)どう盛り上がるかを模索していた。
できなかった人は脱落して現場を離れていった。
(普通に楽しい現場があれば、そちらに移る方が自然だし…)

ある意味でストイックな現場になっていった。
特に去年11月ワンマン以降はその傾向が強まった感覚がある。
最後に残っていたNELNのオタクは、それぞれ自分の楽しみ方を確立していた人がほとんどだったように思う。

まとめると

「自由に遊べる場所で独自進化した面白い存在」という感じ。
「あの時」「あの人たち」だから作り得た、唯一無二なもの。

そしてそれは「神様=プロデューサー」が場所を提供&守ってくれていたからこそ生まれたもの。
そう思うと、森岡さんに感謝しかない。

プロデューサー(運営)がいて、メンバーがいて、オタクがいて。
それは正にライブアイドルそのもので。

NELNはライブアイドルだったんだなと、今更ながら実感した。

最後に

散らかりながらも何となく書きたいことは書けた気がする。
終始穏やかな気持ちで書けたのは、ラストライブがよかったからだと思う。

ライブオタクが思う「NELNらしいライブ」をやってくれた。
それに尽きる。

あの日のライブは「生身のパフォーマンス>映像」だった。
メンバーの意見が多く取り入れられていた結果かなと想像してる。
お陰でしっかりと成仏することができた。

ということで、その感謝も含めてメンバーに一言残したい。
(KARINさんに「ちゃんと書いてね!」と圧をかけられたからではない)

QLMIさんへ

NELNに加入してくれて、ありがとうございました。
QLMIさんが入ってくれなければ、もっと早くに休止していたと思います。
2人→3人になったあの日、NELNの未来を感じて本当に嬉しかったです。

可憐な花が咲き誇るようなパフォーマンス、ゆっくりとした関西弁でのトークに癒やされていました。
QLMI推しに愛されている理由も納得です。

これからの道でも多くの人を幸せにしていってくれると思っています。
QLMIさん自身も幸せでありますように。
ありがとうございました!

KARINさんへ

NATSUMIさんと一緒に続けてくれてありがとうございました。
推しを今年夏までステージで観れたのはKARINさんのお陰です。

特典会で「note読んだよ」と話してくれるのが嬉しかったです。
励みになりました。
(最後の記事も楽しみにしてると言ってくれたのも有り難かったです)

ライブ中のやり取りも楽しかったです。
宗教上の理由で年数回しか青振りませんでしたが、心の中ではずっと青を振りながら「しおさい」の指差ししてました。

NELNに入って歌が一番上手くなったのはKARINさんだと思ってます。
落ちサビでのしっかりとした歌声、好きでした。

KARIN推しが何だかんだと一致団結していたのはKARINさんの統率力によるものだと思うので、今後も何かしらで活かしてください。
ありがとうございました!

NATSUMIさんへ

大体のことは手紙に書いたので、ここで書くことは特にないです。
今後の人生、健康&幸せであることを願います。
ありがとう。

届きそうで足りない今日を越えて。
分かれた道の先で。
それぞれの二十歳を迎えることができますように。

約2年半、ありがとうございました。

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