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【詩】Reach For The Blossom

「宇宙ラジオ」の天神イメージの詩

嗚呼、今年も桜が散ってゆく 記憶みたいだね
そうやって何もかも忘れて、来たるべき日まで死んだまま
白く落ちた花びらは触れる前に消えてしまう
世界はいつでも私の為に在る
故に過保護で、私の本当の望みは叶えてくれない
「あなたの為」などと言って
そしていつまでも幸福を押し付け続ける 素晴らしいね?
ネバーランドを着た世界は今日も優しく笑っている
そこに星を見出せず、諦めそうになる
それでも此処に、桜咲く季節が巡る限り、私は手を伸ばすのだろう
この愛しき世界と、君に別れを告げられる、その日まで

作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。