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【詩】スタートライン

「よーいどん」で出遅れた。最下位確定、最悪のスタート。こころは早くも折れそうだ。
「二位じゃ駄目なんですか?」
トップに躍り出たその言葉。独り歩きの独走状態。人々が一位に仕立て、茶化しもて囃した結果だ。
足が縺れて転んでしまう。膝より見上げた首が痛い。
遥か遠く、泥の王冠を被らされた君は、今にも泣きそうだ。
望んだ笑顔は此奴等か?
泥の代わりに花を飾りましょう。
手を繋いで仲良く歩きましょう。
競うのも悪くはないけれど、僕らはそれでいいのです。
紙吹雪を撒きましょう。
そしてまた此処に来よう。
伝えたいことがある限り、僕は何度でもはしり続ける。
そう。この地から、何度でも。
君の笑顔からはじめたい。

作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。