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五月四日、みどりの日 まだ開店していないスーパーの前でうぐいすが死んでいた 家に向かう途中、自販機の横でアイコスメンソールが死んでいた さらに歩いた先、大きくて古いマンションの花壇で、草葉が紙巻きタバコと心中していた タバコは、死ぬと煙が立たない 紫立ちたる雲の切れ間に星が落つ そんな馬鹿げた嘘浮かして 新たなみどりを看取り過ぎてゆくみどりの日