KAT-TUNに会えなくて寂しいなんていう甘いわがままを。
4月17日、KAT-TUNに初めて会った記録。
好きなアイドルに会える。
好きなアイドルのコンサートに行くことは、私にとってはじめての経験だった。
どんな感情になるんだろう。私はどんな感情を持つのだろう。
開演までの1時間、ずっとそわそわしていた。ほんとうはもっと前から、当選したときから私はそわそわしていたんだろう。意外と冷静でいられるんだなぁと思っていたのは最初だけで、落ち着きなくKAT-TUNが歌い踊るであろうステージを見つめていた。
どんな1時間よりも長くて、どんな1時間よりも待ち焦がれながら、もうそろそろ開演というそんなときに聞こえてきた円陣の掛け声。
びっくりしながら泣いていた。マスクが濡れて、曇り止めをしたスマイルアップシールドはくもった。周りの方よりワンテンポ遅れながら呆然と拍手をしながら、私は泣いていた。
好きになって1年、アイドルとして偶像として好きになったKAT-TUNが、この世界に存在することをどこかで夢のように思っていた。あの掛け声で、KAT-TUNが私と同じ人間であることも、すごく人間らしいことも、同じ空間にいることも、ぜんぶぜんぶ教えてくれた。
うれしいようで、どこか寂しかった。
中丸くんに初めて会ったときに抱いたあの寂しさだった。
だって、知ってしまったら知る前には戻れなくて、会ってしまったら会う前には戻れない。
「KAT-TUNに会えなくて寂しい」なんて甘ったるいわがままをわたしは抱いてしまった。
KAT-TUNが夢じゃないことがわかる、夢のような時間だった。
あのときのこの瞬間が好きとか、そういうのはちゃんと覚えていなくて、ただ覚えているのはKAT-TUNを見ていたときの自分の感情だけだった。
なによりも単純でなによりも難解な「好き」の気持ちを、溺れるくらいに抱いた。
世界一しあわせな寂しさを知った。
世界一わがままな「寂しい」を知った。
ずるいね。こんなに好きにさせちゃうなんてずるいよ。
また、会いにいかせてください。