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Sexy Zoneのことを好きになってもいいですか?



「Sexy Zoneのライブ配信、買おうか迷っているんだよね」

友人にそう言い始めたのは2週間前頃からだろうか。配信のライブを買うお金でSexy ZoneのライブDVDを買ったほうがいいのではないか、若しくはアルバムを買うべきではないか。まずは楽曲を知ったほうがいいのではないか。

わたしは悩んでいる自分を俯瞰しながら、きっと買わないのだろうと思っていた。わたしはここぞというときは即決することが多い。
だからこそ、10月29日の公演が終わる頃の時間に30日の配信ライブのチケットを買ったことは自分の中では異例でもあり必然だった。ここぞというときだったのだ。





10月30日の18:00公演、わたしは初めてSexy Zoneと同じ時間を過ごす。




Sexy Zoneに出会うきっかけは「Johnny's World Happy LIVE with YOU」だった。

6月17日のDAY2公演、KAT-TUNと会うために買ったライブチケット。Sexy Zoneが同じ日程なことを知っていた。知っている曲は少なかった。Sexy ZoneのSexy Zoneの他に、そのとき知っている曲はなかった。それでも、だからこそわたしはたしかにSexy Zoneの世界に揺さぶられたことを覚えている。

危ないと思った。ここは危険だと本能が叫んでいた。

わたしの中で「こういう曲が好き」という確固たるものがあって、それをどストライクで突き抜けながら、さらにその好きを上回っていくのだ。

もっときらきらのアイドルだと思っていたのに、きらきらが眩しいくらいにギラギラしていた。爽やかなアイドルだと思っていたのに熱い。さらりとこなしていくその裏があまりにも泥臭くてかっこいい。

Sexy Zoneを好きになってしまうと思った。だからこそ、その沼の周回をランニングしながらどうにか入らないようにしていた。好きなら入ってしまえばいい。それができないのは、わたしはアイドルを好きになったとき人生ごと好きになりたいと思っていたからだった。人生を勝手に背負ってしまうから、たくさんのアイドルを同じ大きさで好きになる自信がなかった。


友人に話していた。Sexy Zoneが危ない。ライブDVDを買ったら、わたしたぶんもうあとには戻れなくなっちゃうよ。




初めてライブDVDを買ったのは9月22日だった。
買う決め手は9月12日のTHE MUSIC DAY。
5人のSexy Zone。5人のRUN。
もうわたしはあとには戻らなくていいと思った瞬間だった。Sexy Zoneを好きになりたい。好きだと言わせてほしいと、本気で思った瞬間だった。
これまでのSexy Zoneは、4人で4人のパフォーマンスではなくて、4人で5人のパフォーマンスをしていたんだとようやく気がついた。叫びみたいだった。この日のための曲みたいだった。


初めて買ったライブDVDは「SEXY ZONE repainting Tour 2018」
知らない曲がほとんどだった。知らない好きな曲がたくさんあった。まだ名前の知らない好きな歌が、知っている好きな曲になりたいと思った。
ぎらぎらしていてメラメラした姿に、わたしの心は持っていかれた。力強さも熱さもずるいと思った。全力で"かっこいい"も"かわいい"も"面白い"も"儚い"もやるもんだからそんな夢みたいな現実はそれ以上になかった。

5人の印象が塗り替えられていく。テレビ越しで知っていたと思っていた5人は、まるで知らない5人だった。好きな人といるとき、人はこんなにも変わるのかと思った。
「Sexy ZoneのライブDVDを買ったんだけど、ケンティーは王子様だし 勝利くんは惑星救えるし マリウスくんは絵画だし 聡ちゃんはうさぎさんっぽくて実は狼っぽいし 風磨くんは恋って感じしたしほんっとうにあのSexy Zoneに出会っちゃったかもしれない」っていうわたしの混乱の中のツイートは、ほんとにたしかにそう思っていた。


さんざん迷っていたライブ配信を買おうと思ったきっかけは、たぶんTwitterだったと思う。
薄目で見ている自分に気がついて、ああわたしはこの目でライブを観たいんだと思ったからだった。






かっこよかった。
もうこんな言葉しかわたしには出てこないけれど、ほんとうにかっこよかった。

大きな会場だからこそできる演出。
配信だからこそできるステージング。
5本の光がメインステージへ注がれること。
自由自在なカメラワーク。
無人だからこその暗闇を作ることで光を目立たせること。
カメラに映るようにメンバーの近い距離を保ちつつ、広さを利用した演出。

グラデーションのような楽曲の変化。
冒頭のジェットコースターからコーヒーカップ、メリーゴーランド、最後の観覧車から打ち上げ花火。

あの曲はなんだろう、この曲はなんだろう、左上に書かれる曲名を必死に覚えた。楽曲の幅が広くてそのどれもがぴたりとハマっていた。




「王道とは何かを考えていきたい」




それはまさしく王道を求められて王道を走っている彼らだからこそ生まれることばなのではないか。
王道とは帝王が仁徳をもって国をおさめるやり方のことだ。
彼らが王道を走るのではなく、彼らが走る場所が王道になるのではないか。










わたしはアイドルに救われたことがある。

2016年のわたしはこれまでの人生で一番泣いていた。どうしようもなくなっていた。好きなアイドルがどれだけ好きなのかを再確認する1年であり、その気持ちを踏みにじるような報道ばかりされていた。
2016年8月23日、Sexy Zoneの中島健人がコンサートでらいおんハートを歌ったというニュースが耳に入ってきた。
Sexy Zone、ジャニーズのグループであることはもちろん知っていた。その時期にSMAPを歌うことに、それ以上の意味が込められてしまう時期に歌った事実に、わたしは救われた。

先日のオールナイトニッポンで、当たり前のようにSMAPを話しているSexy Zoneに、過去として話さず今のSMAPとして話してくれるSexy Zoneにわたしはどうしようもなくなってしまった。








時代を作るSexy Zoneをわたしもみたい。
一緒に走りたいと、そう思った。








Sexy Zoneを好きになる覚悟を、もう本気でしようと思う。

Sexy Zoneのことを好きになってもいいですか?