20221113
夜ごはん:若菜そば かけそば290円、クッキー、にんじんのオイル蒸し
生活を構成しているもの。散らかすことと片づける(元に戻す)こと。食べること、着ること、作業すること。棚から、ラックから、引き出しから道具を取り出す。散らかすこと。花を咲かせること。お皿洗い、洗濯、掃除。汚れを落として、棚に、ラックに、引き出しに道具を片づけること。もとに戻すこと。与えられた名前、shadow work。種をまくこと。料理家はお料理の過程に片づけを含む。仕立屋はおしゃれの過程に服の手入れを含む。職人は制作の過程に整理整頓を含む。
食べること、食べ終わったお皿を洗うこと。離ればなれのもの。お皿洗いがわずらわしい、という理由でお店で食べたり、容器に詰められたものを食べたりする。お皿洗いからの解放。手を汚さないということ。
夜出先でお腹がすいたので、そば屋さんに入った。作る人の手つきがみえること。調理場から上がる大きな湯気、所せましと並べられた調味料、高く積まれた器、古いがよく手入れされた鍋、湯から上げた麺の水を切る音、ゆっくりと熱いつゆをそそぐ仕草。そういう光景をぼんやりみつめていたら、いつのまにか目の前にあらわれる。「お待たせしました」。そばとつゆ。情報過多の都会で食べる、必要最小限のもの。対照。ごちゃごちゃしたところから離れて、シンプルなものと向き合える時間。空っぽの器をカウンターの上にのせて店を出た。「ごちそうさまでした。」
家に着くと、傷んだにんじんが目に入る。スライスしてフライパンで蒸し焼きにした。夜の部屋ではお料理が電球色の光を受けて、昼(自然光)よりもまばゆく感じられる。食べ終わってから、すこし片づけをした。細々としたことは色々残した。