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チューリップ賞|2021.03.06



1. チューリップ賞分析

過去5年のチューリップ賞レースラップおよび推定個別ラップはこちら。

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(出典:競馬ラボ

過去5年のチューリップ賞勝ち馬の推定個別ラップを並べてみると、マイル戦にありがちな、一旦中緩みが入って最後にもう一度瞬発力を求められる展開になっていることがわかる。

その上で、さらに条件をしぼりだすと、
・中盤の緩んだ部分でも12.2以内で走れる基礎スピード値
・直線を向いた段階で10秒台まで加速できるギアチェンジ性能
の2点が必要になってくることがわかる。

ただし、コースレイアウト的に残り3F地点からは下り坂になっているため、他の競馬場よりも後半2Fの地点で10秒台まで加速しやすくなっている点は留意しておきたい。


2. 出走馬分析

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メイケイエール
前走、阪神JFでは後方から一気に押し上げるチグハグな競馬だったが、直線を向いて一時先頭に立つ勢いで4着。推定個別ラップ13.8-10.9-11.2-11.8-11.6-11.4-10.8-11.8をマークしており、今回もスムーズな競馬にならず前走同様のチグハグな競馬になったとしても、勝ち負けできる内容。

2走前のファンタジーSも後方から押し上げる競馬だったが、最後こそ11.9まで落ちているものの、前傾ラップの中強いパフォーマンス。

スピードの基礎値が抜けており、出負けすることは必至だが、その後の追走部分でこの馬なりに走らせれば戦える。


テンハッピーローズ
阪神T1600(外)の瞬発戦ではなく、一貫して流れる展開の方に適正がある。瞬発力の部分では見劣りするため、追走は難なく出来たとしても最後に甘くなりそう。


エリザベスタワー
阪神T1600(外)で行われた新馬戦では後半4F推定12.3-11.7-10.9-11.0と及第点以上の瞬発力を発揮。

しかし、課題は道中の追走力で、新馬戦では12.8まで緩んでいるし、エルフィンSでも出遅れから追走に苦労していた。

後半の瞬発力に関しては問題ないものの、速い流れを追走できた経験がなく、また、エルフィンS自体もそれほど速い流れにはなっていなかったことを考えると、今回も似たような展開になりそう。


タガノディアーナ
前走つばき賞は強い競馬をしたが、後半4F推定11.9-11.1-11.1-11.4と長く持続させる脚を使うタイプ。その直前に12.7まで緩んでいることを考えると、阪神T1600(外)で求められるギアチェンジに対応できるかどうかが課題。同じマイル戦なら府中が合いそう。

また、ある程度後方からの追走になりそうで、ポジション差で差し損ねも十分に考えられる。この馬が上位に進出するためには、コーナーから加速させてポジションを押し上げる競馬が必要。


ストゥーティ
こうやまき賞推定個別ラップ12.9-12.1-12.0-11.5-12.0-11.5-10.9-11.4を見る限り、今回の舞台適正は兼ね備えている。また、前走の菜の花賞でも後方からの展開となったが中山で後半3F推定11.8-11.2-11.0としっかりと加速ラップを踏めている。

ある程度流れたとしても追走力に疑問符がつくことはないし、それでいてしっかりと直線を向いて加速できている点は評価できる。


シャーレイポピー
前走はレースラップを見てもテン3F 12.3-10.6-10.6というもので、この馬自身も推定13.0-11.2-10.3を踏んでおり、この段階で脚が削がれてしまっている。未勝利を勝った2走前は12.4-11.0-12.0-12.3-12.0-11.5-10.8-11.9というラップで逃げ切っているが、序盤がやや緩みがちではあるものの、後半3F 11.5-10.8-11.9の加速力+維持力は評価できる。


タイニーロマンス
前走東京T1400で行われた春菜賞では推定個別ラップ13.1-11.3-11.9-12.4-11.3-11.0-11.3を刻んで2着。コースが違うので単純比較はできないが、阪神T1600(外)で要求される追走力+瞬発力は持ち備えているように思う。なお、2走前のフェアリーSではクールキャットのマクリを受けて失速することになったので参考外。


マリーナ
未勝利善戦キャラ。善戦キャラが示す通り、最後の瞬発力でやや劣る。しっかりと先手を主張して流れるペースを作り出してほしい。


レアシャンパーニュ
前走こぶし賞をそのまま評価。推定個別ラップ13.6-11.4-11.3-11.8-11.4-11.6-10.6-12.1で、出負けした分初めの1Fは13.6だがその後は11秒台で追走し、直線を向いてから10.6まで加速。最後は12.1まで止まってしまったが、発馬が決まりスムーズに馬群に取り付けられればもう少し追走は楽になるはずで余力はありそう。


バリコノユメ
前走の白梅賞を見る限り、もう少し一貫して流れるT1400の方に適性がありそう。瞬発力の点で見劣りする。


シャドウエリス
この馬も前走こぶし賞をそのまま評価。推定個別ラップ12.9-11.2-11.5-11.9-11.5-11.5-10.8-12.6で、最後は甘くなっているものの、先行して10.8までの加速は十分に評価できる。


エイシンピクセル
新馬戦は阪神T1600(外)で、中緩みが入ったとはいえ後半3F推定11.9-10.5-11.4は評価できる。前走はしっかりと流れた阪神T1400を追走できており、適性面は問題なさそう。


3. 予想

◎②ストゥーティ
○①メイケイエール
△③レアシャンパーニュ
△④シャーレイポピー
△⑦タイニーロマンス


一番の注目は①メイケイエールの取り扱い。
前走はめちゃくちゃな競馬だったが、それでも4着と能力の高さを示したが、個別ラップを見ている限り、この馬の武器はなんといっても巡航時の基礎スピードの高さ。

もちろん気性の悪さから馬が行きたがる故の副産物であるが、それでも今回の出走メンバーの中ではやはり抜けている。

枠順を考えると逃げるか後方からの競馬になるのかの2択だが、仮に逃げられる展開になればそのまま押し切る能力は持っているし、後方からの展開になったとしてもその基礎スピードを考えると前走と同様、4角では先頭に立つ勢いで、どの展開になってもこのメンバー構成ならば飛ぶことは考えづらいという結論に。

ただ、本命は一発を考えて②ストゥーティ。

こうやまき賞の推定個別ラップ12.9-12.1-12.0-11.5-12.0-11.5-10.9-11.4を評価。確かに序盤は緩い流れになったものの、11.5-12.0-11.5とペースの上げ下げが入っているし、少頭数なのでそれほど大きなロスにはなっていないが一番外を回して最後までジリジリ脚を伸ばしていた。

また、前走の菜の花賞でも中山T1600で後半3F推定11.8-11.2-11.0と加速ラップを刻んでいる。上手く先団に取り付けられれば、阪神T1600(外)のイメージにも合う。

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