大好きな2023年の本

今年は新著の準備のために資料読みに時間を費やしたので、なかなか新刊を読めなかったけど、その中でも面白い本はたくさんありました。

【1】森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)

スポーツノンフィクション史に残る傑作! 敗者を通して井上尚弥の特異な強さを知り、それに挑んだ敗者の強さも知る。

【2】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)

帯にある通り、まさに「最高の主人公」! 読むと最高に元気になる小説。

【3】向坂くじら『夫婦間における愛の適温』(百万年書房)

全ページうなる視点と痺れる文章。何度も読み返したくなるし、他の文章も読みたくなる。

【4】国崎☆和也『へんなの』(太田出版)

素晴らしい文才。ハチャメチャで切なくて美しい。
相方・伊藤幸司 の『激ヤバ』も負けず劣らず良かった。

【5】前田隆弘『死なれちゃったあとで』(前田商店)

「死」にまつわるエッセイ。無頼な感じがする文体に鷲掴みにされる。強い。

【6】藤井亮『タローマンなんだこれは入門』(小学館)

細部までこだわりに満ちたデタラメっぷりにワクワクする。

【7】安田理央『日本AV全史』(ケンエレブックス)

間違いなく今年のベスト装丁。持っておきたくなる本。内容もとても興味深かった。

【8】今野勉『テレビマン伊丹十三の冒険』(東京大学出版会)

伊丹十三が今野勉と過ごした刺激に満ちたテレビマン時代。4~50年前なのに先鋭的。

【9】小西マサテル『名探偵のままでいて』(宝島社)

小西マサテルの温かさが詰まったミステリー。すぐにでも映像化してほしい。

【10】北尾修一『自分思い上がってました日記』『調子悪くて当たり前日記』(百万年書房)

がん告知からの闘病記、というより、それでも「日常」で闘う記録。

他には市川沙央『ハンチバック』や、岩崎う大・中村計『偽りなきコントの世界』、安島隆『でも、たりなくてよかった』なども面白かった。
記事にもしたけど、『キーボードなんて何でもいいと思ってた』も良かったです。今年は文学フリマに初めて行ったこともあって、ZINE率多め。

最後にこれも面白いです!(宣伝)


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