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最初で最後のカンニング

小学二年生の頃の漢字テストで、私は人生で最初で最後のカンニングをしました。


ひらがなを漢字で書く問題がさっぱり分からず。

それもそのはず、私が休んだ時に習った漢字だったのです。


焦った私は、隣の席の土井くんの答案を盗み見て、彼と同じ答えを書きました。


特にクラスの他の子にバレることもなく、先生に叱られることもなくテストを終えました。


さて、答案が返ってくると、見事に8割以上間違えていました。土井くんは私が休んだ日にも出席していて、新しい漢字も習っていたはずなのに…!


カンニングしてもいい点を取れる訳でもないし、変に気持ちも落ち着かないし割に合わない、まっとうに生きるのがいいよな、と子供ながらに悟って以来、カンニングをすることはありませんでした。


今もふと思うのです。あの時の土井くんの解答が満点で、カンニングが大成功していたら、多分私は今よりももっとろくでもない人間になっていたに違いない、と。

土井くん、間接的に私を正しい道に導いてくれてありがとう!君に幸あれ!

※2022年1月20日放送、八王子エフエム「ハチサタ」メール投稿テーマ「テスト」に投稿したメールを修正したものです



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