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人との感情的なつながりを大切にしながら革新する~株式会社マツシマホールディングス 代表取締役副社長 松島 一晃~

京都の今を生きるU35世代の価値観を集めたメディアです。
次期「京都市基本計画(2021-2025)」を出発点に、これからの京都、これからの社会を考えます。

京都を中心に国内外の10ブランドの新車ディーラーを展開している株式会社マツシマホールディングス(以下、マツシマ)。ディーラー以外にも飲食やヘルスケア事業など、常にお客様が求めている価値を追求し、時代に合わせて変化し続けてきました。

「全員でつくる家族と社会に誇れる会社」を守り続けたいと話す代表取締役副社長 松島一晃(まつしま かずあき)さんが大切にされている価値観「#義理人情」「#常に変化することを恐れない」「#自分の実力を俯瞰してみる」について迫ります。


■人の温かみや想いが感じられる「表現」をテーマに変化していく

───普段されているお仕事や活動について教えてください

松島一晃(以下、松島):マツシマでは、メインのディーラー事業だけでなく、飲食やヘルスケア事業も通して、人の心を満たし、人生をより豊かにするものを提供し続ける会社を目指しています。

マツシマを利用していただいているお客様は、車や食に対して機能的な価値以外のことを求めていると思うんです。

例えば、私たちが手掛ける高級外車やアートなどは、生きるうえでは必須ではありません。ですが、私たちのお客様は、そこに込められたこだわりや個性などを「自己表現のツール」として価値を見出してくださっていると思います。

───車以外の事業も「自己表現」を軸に展開されているのでしょうか

松島:そうです! それにも理由があります。
いま自動車の業界は変革期を迎えています。これからの時代、人口減少などの社会変化から車の需要が増えることは決して多くはないと思うんですよね。

また、他業界(アップルなど)から自動車業界へ参入すると言われており、自動車に対する価値観が変わる時代がやってくるかもしれません。

だから、「車屋」だけであってはいけないという気持ちがあります。マツシマがなくなったところで、どこか他の会社が車を売り、メルセデスベンツが欲しい人は買えるところに行けば困らない。マツシマで買いたいと思っていただかないとやっている意味がないと思っています。

なので、「自己表現」の軸も持ち、車や食の他にも、アートや伝統工芸とコラボをしてカーインテリア事業も展開しています。
IT化が益々進んでいき、世の中はますます便利になっていきます。そんな時代だからこそ、利便性やモノを消費することで満たす価値ではなく、作品への想いやストーリー、情緒的なところに価値が生まれると思うんです。マツシマではそうしたところに価値を求める方をお客様とし、様々な事業を展開しながら届けていきたいと考えています。

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■大切な人を大切にすることが幸せの連鎖をつくっていく

───松島さんが働くうえで大切にされていることってなんでしょうか

松島:まずは、身近な人を幸せにすることですね。
社会貢献はマズローの法則の自己実現の中でも、上位の段にあると考えていて、自分はまだまだその領域まで達していないと思います。人はまず自分が安心できる状態になってやっと他者のために動くことができる。それが自然な流れだと考えているからです。

ビジネスをみたときに自社の社員が幸せでいるか、まずそれが最初の一歩だと思うんです。それがあってはじめて、お客様や社会に目を向けることができる。
そのため、マツシマでは、お客様との関係を大切にしていることはもちろんですが、創業当初から変わらず、社員一人ひとりの幸せを一番に考えています。

多くの会社が社会貢献に関わる企業理念を掲げていることに対し、マツシマの理念は「全員でつくる家族と社会に誇れる会社」と、理念が少し社内向きなんです。
社会貢献の前に、しっかりと自分や自分の周りを大切にし、守っていきたい。そうすることで結果として会社も続いていき、雇用を生み出すことができる。そして、社員も幸せであることが、お客様へも幸せが連鎖していくのではないかと信じています。

そのためにも、目の前の人や自社と関わってくださっている方を幸せにするために、一人ひとりとの関係をしっかりと築いていきたいと思っています。


■常に自分を客観的に見て、心地いいやり方を模索する

───松島さんが「人」を大事にされる経営スタイルを選んだ理由を教えてください

松島:物心ついたときから私は「お前は社長になるんだ」とマツシマ3代目である父に言われて育ち、自分が立派な人間にならなければ社員何百人が露頭に迷ってしまうので、しっかりしなければと思っていました。

時が経ち、私はマツシマへ戻ってきたのですが、当初、周りの社員は社長の息子である自分に遠慮し、なかなか面と向かって意見や疑問を投げることは多くはありませんでした。だからこそ、常に自分のことを客観的に見るように意識をしました。そもそも自分の考えが正しいと思っていないからこそ、みんなと向き合いながら一緒に会社を創っていくことを目指していました。

なので、自分はどういった経験をして、何を学び、どんな人間になったらいいのかを考えたり、自分なりの心地のよい方法を見つけるためにいろんな方の話を聴きながら、会社や副社長としての自分のあり方を探ったりしました。

いまは、業界の垣根を超えて事業展開していく経営も珍しくなく、これまでの業界独自の常識や当たり前が変わっていく時代。これからは、正解がない時代だからこそ、みんなでそれを正解にするにはどうするかを考える時代だと思っています。自分一人ではつくっていけないので、様々な考え方をする人が周りにいてほしい。そのためには自分もいろんな人の考えを受け止められる器でなければいけない。

そして、相手を否定するのではなく、しっかりと議論することが大切だと思っています。だからこそ、1対1で社員と話すなど、丁寧に人と向き合い、現在の企業理念も父と再考しリスタートしました。

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■時代と共に変化できるものが残っていく

───松島さんがこれからも挑戦していきたいことを教えてください

松島:感性を常に磨いていくことです。

自分に対して常に足りないという意識があるので、いろんな人と会うことで自分を分析していき、感性を磨くよう心がけています。

人と会うと、自分の経営の仕方と違うなとか、社員に対しての考え方が違うと思うこともあります。ですが、それはそれで一人の意見として一旦受け止め、その後、自分が違和感に思ったのはどこかと、探るようにしています。違和感を学びに変えている感覚です。

また、感性って筋トレと同じで自分に負荷をかけないと磨かれないと思っていて、自分が嫌だなと思う人でもあえて会いに行ったり、得意でない分野のことも探りに行ったりするようにしていますね。そうした負荷をかけることで、自分の感性が反応し、より磨かれていく気がするんです。

今の社会は優しくもあるのですが、ある意味甘くなった一面もあると思っています。会社が個人に負荷をかけて育てていく文化が、やりすぎてしまうとパワハラや鬱になってしまったりと問題になってしまう。そのため、会社が個人を追い込むのではなく、自分で追い込まないと成長するチャンスってなくなってしまったと思います。負荷をかけすぎないことはいいことなのですが、自分で自分を追い込まなければならないので、成長できる人と、できない人で二極化が進んでいくようにも感じます。

こうして自分を磨くということに重きがあるのも、マツシマが存在する意味を社員にもお客様にも示していきたいからかもしれません。
意味を示すためには、自分の感性を常に磨き、時代と共に変化していく力が必要です。

人と人との関係を大切にしながら、会社も自分も変化し続けていきたいです。私が引き継いだのは会社だけでなく、これまでの約60年間マツシマが大切にしてきた想いもあります。そういったバトンをしっかりと受け取り、繋いでいきたいです。

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<インタビューを終えて>
副社長という立場でありながら、常に様々な人や物事から学び続けている謙虚な姿勢、そして他者との違いを楽しみながら学びに変えていく姿勢に感銘を受けました。
これからも株式会社マツシマホールディングスは社員を守るためにも会社を守り、変化をしていくと思います。物事や人の表面的なことだけに捉われず本質を突き詰めるからこそ時代に合わせ変化してくことができ、人々に求められる会社であり続けるのだと感じました。


今回集まった新しい価値観は3つでした。

「#義理人情」
「#常に変化することを恐れない」
「#自分の実力を俯瞰してみる」


<松島 一晃さんのプロフィール>
1986年生まれ、京都府出身。2009年、東京海上日動火災保険株式会社に就職。14年、父が経営する株式会社マツシマホールディングスに転職。16年、専務取締役就任。17年、代表取締役専務就任、株式会社A・STORY創業。19年、株式会社マツシマホールディングス代表取締役副社長に就任。


<松島一晃さん関連URL>
・株式会社マツシマホールディング


取材・文:ワカモノラボ PRライター Mina Nagashima 
編集:ワカモノラボ 有馬華香
写真:其田 有輝也

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