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映画「エンドロールのつづき」「ヒトラーのための虐殺会議」のことなど、

1月×日
新宿ピカデリーで「エンドロールのつづき」(パン・ナリン監督)
これは現代版「ニュー・シネマ・パラダイス」だ、なんて評もあるらしい。
ああ、「ニュー・シネマ・パラダイス」は封切で観て、あんまり良いと思わなかったんだよなあ、などと思いつつ鑑賞。

インドの小さな駅に列車が停まると、乗客に色々なものを売るために子供たちがわらわらと集まって来る。
その中の一人、チャイ売りの子がこの映画の主人公。
この子の日常の描写が良い。
友達との遊びとか、チャイ売りの様子とか、お母さんが作るおいしそうな御飯とか、その後映画館の映写室に入り浸る楽しげな様子とかも。
ああ良いな、と思いながら観ていたのだが、そのうちにだんだんと何か今ひとつグッと来ないな、という気持ちに。
すごく良い素材が並んでるんだけど、ただ並んでるだけというか・・・。
ハッと驚かされるところがない・・・あるいはパッと突き放されるようなところがない。
うーん、悪い、ってわけじゃないんだけど・・・。
結局、あまりグッと来ないまま終了。
そういえば「ニュー・シネマ・パラダイス」を観た後の感想も、「とても良いお話ではあるんだけどなあ・・・」っていう感じだったっけ。

2月×日
今日は鮎川誠の「ロック葬」とやらが行われる日。
ファンというわけでもないので、参列するつもりは最初から無かった。
ただ仕事終わりにちょっと会場の有る代田橋まで行ってみようかな、とは思っていた。
しかしまあ、やじ馬以外の何者でもないし、人が多いと近所迷惑だしな、と思い結局行かないことに。
家でYouTubeを見て過ごす。


2月×日
新宿武蔵野館で「ヒトラーのための虐殺会議」(マッティ・ゲショネック監督)
これは面白かった。面白かったと言ってしまうと語弊があるかもしれないが、面白かった。
本当にただ会議しているだけの映画なのだが、最後まで緊張感が途切れない。
はじめは誰が誰なのかわからなかったのが、だんだんと、ああこの人はこういう立場の人だな、というのがわかって来る。
実際に有った会議をかなり忠実に再現しているらしい。
しかし、この会議で激しい議論の末になにか恐ろしいことが決定してしまうのか、と思ったらそうではなかった。
本当に恐ろしいことはすでに決定済みで、会議の出席者も全員同意/賛成済み。
「それでは細かいところを詰めていきましょう」というのがこの会議。
だから議論されるのは、どの部署が主導権を握るのか、とか、どこかの部署が割を食わないようにどう調整するか、みたいなことがメイン。
「そういう話であればウチを通してもらわないと困りますネ」
とか、
「ウチが一番負担が大きいんですからウチの要望を優先して下さいよ」
とかそういう話。
今日もどこかで行われているであろう、ごく普通の会議である。
だからこそ、そこで決められることのおぞましさとの対比が非常にグロテスクに感じられる。

2月×日
もしかして岸田首相は、同性婚とかに全然賛成なんだけど、周りの反対派の人達の圧が強くて賛成と言い出せないので、あえて意に反して強めの(国際的にも問題になるくらいの)反対意見を言うことによって自ら炎上し、それで世論が賛成の方に傾くのを利用して、「いやあ世論がこんな感じだから仕方がないですよねえ」という感じで賛成の方に舵を切る、という深謀遠慮を持っていたのでは?・・・・・・・・・・・違うか。


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