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玄関先

人と話すというのは、玄関で人と対面する感覚と似ていると思う。

玄関先で、こちらがどういう人間か見定められているような感覚。

話をしていて「壁にぶつかった」と感じることがある。自分から話題を提供するでもなく、こちらと積極的に話そうとしないタイプの人。シンプルで狭い玄関のイメージ。仲良くなって行くに従って、奥に続く部屋のドアを開けてくれる。

用心深い人だと、ドアが開いたと思ったらもう一枚ガラスのドアがあったりして、見えてはいるのに中のものに触れさせてはくれないというタイプの人もいる。

それとは別に、初対面の人とでもとりあえず仲良くなって、自分から様々な話題を振るという人もいる。こういう人は広くてなんでも置いてある玄関のイメージと重なる。

私は後者のタイプ。

だからといって、ずかずかと奥の部屋のドアを開けようとしたり、置いてあるものを粗末に扱う人は苦手。受け入れはするけれども、距離は保って欲しいと思ってしまうところがある。相手はそんなこと知ったこっちゃないだろうけど。

話している時の様子からガードの固い人は慎重で、聞かれたくないなにかを持っているのだろうな、と思う。誰しもあると思うけど、それがすごく重要なことなのかな、と。嘘をつく人もそう。知られたくないことがあるから嘘をつく。

ガードが固い友だちもたくさんいる。固すぎると心配になる。

どんなに話しても、1番重要なところに手が届かない。そこを解決しないと、悩みは消えない。そしてそれを指摘するのは難しい。同性の場合、より難しい。

だから人と話す時はいつも、玄関先に佇み、試行錯誤を繰り返している。



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