3/13の日記


ほんの気になった一節や文章を切り出していく3月の日記。
本日はこちら。

曽野綾子「人間にとって成熟とは何か」

どうにも本を簡単に説明するという事が苦手なのですが、かいつまんで説明する。
この本は曽野綾子氏が、人間が平等に年を重ねるにつれて得ていく品や物事の考え方の本質について書かれたエッセイだ。僕は氏について特に作品が好きだとか、過去のあの作品が好きだとかがあるわけではない。でも20代の頃にブックオフへ行った際に、なんだか興味のあるタイトルだなと思って買ってしまった。それから少しづつ少しづつ読み進めていて、他の本は手放してしまった本もあるのだけれど、この本だけはなんだか手元に残ったままなのである。


”品というものは、多分に勉強によって身につく。本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず、利己的にならないことだ。受けるだけでなく、与えることは光栄だと考えていると、それだけでその人には気品が感じられるようになるものである。”(P101)


もう5、6年前になるだろうか(もっと前かも知れない)「品格」という言葉がとても世間で使われていた時があるのだけれど、その意味を分かって使っていた人がどれだけいるのだろうか。そして今でもその品格を大事にしている人がどれくらい残っているのだろうか。
なんとなく背筋をピンとしていればとりあえず品が良く見えるというものではない。品というのは内面からにじみ出るものなのだということ。これは自分の中でも大事にしておきたい一文だなと思うのだ。

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