アンビリーバブル

Day146.アンビリーバブル たった1つの真実

こんばんは。
今日はテーマとしては重い「レイプ被害」について。
この3連休で読書に加えて、NETFLIXの
オリジナルドラマ(全8話)のこちらを鑑賞しました。
こちらは実話をベースとの事でこんな悲劇が実際にあったと思うと
本当に犯人、警察の対応は許せないと思いました。
(製作国:米国、公開日:2019年9月13日)

非常に内容の濃くて素晴らしいドラマでした。
テーマは重いのだけれども、救いもあります。
こうした事件について考えるきっかけにもなるので
オススメです。

※以下、ネタバレを含みます。下記写真はNETFLIXより引用。

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アンビリーバブル たった1つの真実

レイプ被害を訴えた10代の少女が発言を撤回。事件は本当にでっち上げだったのか? 2人の女刑事が、残された証拠から真実を追う。実際の事件に着想を得たドラマ。(Filmarksより引用)

第1話で被害にあった少女が震えながら、警察の事情聴取に応じる。
まず、被害者が辛いのは調書である。

☑︎何度も同じ事を聞かれる

事件現場にかけつけた保安官、警察官。
次に担当の刑事。そして今度は病院で診察した際の医師。
立て続けに3回も同じ事を話さなければならない。

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1度聴取した内容を横展開すれば良いじゃないかと思うが
それぞれの役割に応じてしなければならない。
被害者視点で見ていると、とても辛いものがある。

刑事視点で考えると、繰り返し聞く事で
思い出す事があるかもしれないという期待もある。
また、嘘をついていなかを見抜くためでもある。
一貫性があるかを度重なる調書で見ているのである。

そして、少女マリーは証言が2転3転する事から
刑事が疑念を持つ。ちなみにこの証言だけでなく
物的証拠もほとんど出てこなかった事も理由の一つ。

それでも、彼女は前言を撤回して被害にあったと訴える。
しかし、一度疑念を抱いた2人の刑事は信じない。
あろう事か虚偽の証言(偽証)をしたとして
警察がなんと訴えるのである。

とてもマリーがかわいそうである。

物語を見ている側としては、ひょっとして
マリーは嘘を言っているのか?
もしかしてドラマだから夢オチか?
といろいろ推測してしまうくらいリアルである。

後にわかる事だが、彼女は被害にあっていた。

☑︎被害者感情

印象に残ったシーンはいくつもあるが
裁判で被害者が容疑者(被告)に質問するシーン。

「私の何が悪かったのか、なぜ狙われたのか。」

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自分自身を責めてしまう事がわかる一言で衝撃を受けた。
そして、犯人が捕まらない間は恐怖に囚われれる。

趣味やこれまでの行動を変えないとまた狙われると
被害者は思い込んで、これまでの生活全てが一変する。

同じ生活をしていたら、また狙われるって思うから。

無差別に突然、家に押入られてレイプされる恐怖。
なぜ自分が狙われたのかわからないので
対策をとる事もできない。この恐怖。

☑︎犯罪者

この犯罪者は数十件のレイプを繰り返して
脅して、写真を撮影して、戦利品を自宅に抱え込む…。
狙う相手は年齢や人種関係なく襲っている。

判決は327年と半年。

ほぼ終身刑だろう。

その後の独房での容疑者が警察へのインタビューで
犯行の手順や繰り返す事により、どんどん犯行がエスカレートしていく
そんな様子を得意げに語る姿は恐ろしい。

そして、私は出してはいけない。また絶対やる。

こんな事も話していた。性犯罪の現実であろう。

件数、動機に関わらず、こうしたレイプ犯は
一生独房に入っているべきだと思います。
なぜなら、再犯率が高い事と被害者からすれば
社会に放たれた野獣がまた襲ってくるかもしれないという
とてつもない、逃れる事ができない恐怖と
戦わなければならないから。

☑︎マリーの一言

最後にマリーが被害者になって一番辛かった事は

信じる事ができなくなった

と話していた事。

被害にあって、生活全てを失い、仕事も失った。
それに加えて、虚偽の証言をしたと誤解されて
友人からも見放されてしまった。

そう、誰も信じる事ができなくなってしまったのだ。

彼女は何も悪くないのに…。

こうした犯罪の悪質なところは
その犯罪だけでなくて、その後の生活含めた
全てを奪ってしまうという点である。
相手の人生を破壊してしまう事も含めて罪として
罰していくべきであると強く感じた一幕です。

そんな彼女は解決に導いてくれた2人の女性刑事
(カレンとグレース)に対して

感謝の気持ちを伝えます。

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彼女が信じる事ができたのは、きっとこの2人の刑事だけだったのだろう。

そして、誰かが一生懸命自分自身のために頑張って
犯人を逮捕しようと全力を尽くしてくれていると
知った時に彼女は救われたのだろう。

彼女は最初の刑事2人には謝罪を要求しますが
それ以上、責め立てる事はしませんでした。

とても大人な対応で驚いた。

そんな彼女に寄り添って話を聞けなかった
2人の刑事の罪は重い。

物語の中では、レイプ事件は比較的捜査が
重点的にされない事がピックアップされていました。
男性刑事(FBI)の発言にもあったが
やはり殺人事件などの方が捜査体制や刑事のモチベーションが違う。

その後の報告書に関しても基本的な概要しか残されなく
事件の詳細を事細かに記録する刑事は少ないとの事。
そのため、各州で同様の事件が起きていたとしても
そこの関連性をたどる事はほとんどない。

そうした背景があるなか
この2人の刑事は卑劣な犯罪者を追い詰めるために
情報交換し、合同捜査、FBIへの捜査協力を仰ぎ
周囲の協力も経て、事件を解決していく。

見事だ。

物語全体を見ても非常に良く練られていて
展開・テンポも良くて、視聴者を惹きつけてやまない魅力がありました。
マリーの被害者視点
女性刑事2人での視点
犯罪者側の視点

よく描かれていたと思います。

最後はマリーが立ち直って前に進んでいく
海のシーンで終わりを迎えたのも良かった。

決して癒える事のない傷だけれども
それを救ってくれる人がいる。

そんな事を感じたドラマでした。

※写真の出展元



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