思考整理日記-屏風に上手に


今回は愚痴兼私(怨)小説のネタ整理

作品を通して意図的に他人を傷つけたいと思っている。僕は心象に隣接する純文学を志す人間なので自分の人生ごと作品であると思っている。にもかかわらず結構な頻度でついうっかりで、作品以外の文章で他人を傷つけてしまう。コントロールのできない無差別な加害はどうしても下品である。「誰でもよかった」と供述する犯罪者はノンフィクションのメインキャラクターにはなれるが大長編小説にはなかなかなり得ない。理解している。しかしやってしまう。

先日出先で見た舞台がこのところ頭を離れない。内容は伏せる。予告無しに衣服が汚されるタイプの演出があり、その日僕はそこそこ気に入りのTシャツを着ていたのだが、圧倒的なステージを前にほとんどあっさりそれを諦めた。小汚い半裸になってでも最前列を動けなかった。必然性があるのだ。(個人の作品解釈に委ねられてしまう喩えなのであまりよろしくないが)地獄変の屏風を描くには地獄を見なければいけなかった絵描きの物語ってのも僕らが生まれるより前の時代から存在していたわけだし、僕は人に損害を与える芸術に関して圧倒的に支持派だ。ただしそれに見合うものが作れれば。怒られて責められても、それは作家の自己責任だと思う。そんな事言いつつ僕はちゃらついたスケベ人間なので多分他人がクレームつけられてたら結局下手な慰めをしに行っちゃうのだけど、自分に関してはそう思う。いや本当は思っていないかもしれない。怒られたぁ慰めてぇ、と大概思っている気がする。でも今からでもその思想は拒否しなければいけない。男なら自己破壊を! とかのタイラー・ダーデンも言っていたので。

許されたければ許されるものが作れるまで作り続けなくてはならない。僕は作品に昇華しきれていない僕の自意識が許せない。ツイッターで何人の人間との接し方を間違ったか知れないのに未だにツイ廃していて、TLを遡っている間に原稿一枚note一本でも進むわけじゃないとちゃんと分かっているところが許せない。タイミングを逃しただの自分の半裸など公序良俗に反するだの言い訳して更なる前方には出ていくことができず、最前維持ごときで自己陶酔して終わった自分のだらしねえ前傾姿勢が毎晩毎晩夢に出てくる。悪夢から醒めた後特有の発光する天井を見ているだけなのは嫌だ。早く過去の自分を倒したい。上位存在になるぐらいの勢いで精算しないと誰一人にも謝りきれない。物心ついてから創作しかしてこなかったくせに未だこんなところにいて情けないと思え、と自分に言い聞かせ続けるだけのbotのようなメタフィクション意識が一層情けない。強くなりたい。金田(AKIRA)になりたい。もし僕が金田だったら。金田が僕だったら。そんなことを考えるのは終わりにしたい。最速で実現して完璧に上り詰めた瞬間に潔い死を迎えたい。言い訳はいらない。どれだけの地獄を見てどれだけの地獄を書けるか、書いたものでこの世界まるごと地獄に落とせるのか落とせないのか。落とせないなら僕は僕に用はない。勝つしかないよ。

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