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俗っぽさの重要性と孤独感

こんにちは。
先日、明石家さんまさんの一生を振り返る番組をみました。



さんまさんが出演する番組では、常に笑いに溢れていて楽しい。さらに今回の番組では、さんまさんと師匠の笑福亭松之助さんとの師弟話があり、感動しました。



さんまさんの名言として「生きているだけで丸儲け」という言葉がよく紹介されます。僭越ながら、以前までの僕は、この言葉がなぜ深い言葉だと紹介されているのか、いまいち理解できていませんでした。



ここ1年ぐらいの僕は、実際に役立つ知識を吸収する一環として、 WBSニュース(テレ東)とLINEニュースの「トップ、国内、経済、海外」の記事をみることを1日のルーティンにしていました。
そのため、時事ネタにはそこそこ自信があって、実際に大学院でディスカッションをしていても、話しに困らなかったし、社会人のビジネスマンと会話をしても、ある程度ついていけていたため、有り体にいえば、自己実現に向かう自分を誇らしく思っていました。



そんな中、先日、学部時代の友人とドライブに生きました。車内では、先輩が音楽をかけてくれていました。思い出話や身の上話もそこそこに、話題は、最近好きな音楽の話になりました。



先輩「Official髭男dismいいよね」



僕「おふぃ、ひげ?……なんですかそれ?」



今流行りのアーティストを僕は全く知りませんでした。曲を聞いてみると、街中で聞いたことはあるなという程度でした。



先輩「ヒゲダンを知らないのはやばいよ」



そう言われて、いやみんなが、暇だから知っているだけじゃないか? 芸能系の話は直接役に立たないから、あんまり興味ないんだけどなと、一瞬は思いました。



しかし、いや待てと。自らを振り返り、思考を留めました。ここで無下にしたら、二度とこの音楽を聴こうと思う機会はないかもしれない。運がよかった、と。



最近、いわゆる意識の高いイノベーターやビジネスマン系、学術系の情報に偏ってインプットしていることに、僕はそのとき気づきました。大学院もそこそこ優秀な人たちが周りに揃っているため、芸能系の俗っぽい話はトレンドではありませんでした。むしろ、芸能系やエンタメの話をすると、こいつ暇なのかなと思われる雰囲気すらあるかもしれません。幸い僕もそこまで好きじゃなかったため、全く違和感なく生活していました。



次の日すぐに、Official髭男dismのCDをレンタルしました。
ちなみに、音楽を聞きたい方はこちらです。
https://youtu.be/TQ8WlA2GXbk



この俗っぽさを失っていく中で、いわゆる一般人と接したときに生じる違和感のようなものが、ここ1、2年で日に日に大きくなり、辛いなと感じることが多くなりました。自分はどうしようもなく変人で一般人には一生なれない。見えない壁を、目の前に突きつけられているような気がしました。どうしても、自分との共通項が少ない相手とは、理解し合えない度合いも大きい。逆に同じような感性をもった人とは意気投合しやすい。でも、そういう人は少数派。



青年期特有の孤独感というやつでしょうか。



そんな中、さんまさんの番組をみました。
さんまさんから学んだことは、簡単にいえば、笑えばいいということでした。常に人を笑わせる、面白いことだけを徹底的に病的に考えて生きるさんまさん。彼から、そんなに難しく考えていないでとにかく笑えやと、圧倒的な説得力をもって、背中を押されている気がしました。



師匠笑福亭松之助とさんまさんとの思い出では、こんなエピソードが語られていました。



さんまさんは、若い頃に恋人と駆け落ちして、師匠を裏切り、蒸発したことがありました。しかし、駆け落ち生活は苦しく、結局彼女とも別れてしまいました。後日、さんまさんは師匠へ謝罪に行きました。師匠は、怒る代わりに「何も言うな」と行き先も告げずにさんまさんを連れ出しました。しばらくするとラーメン屋へたどり着きました。そこは、さんまさんが、笑福亭松之助と初めて出会い、「センスがあると思ったので、師匠にしてください」と弟子入りした思い出の場所でした。



笑福亭松之助「世の中には色んな奴がいるな。でも、みんな笑いをわかってない。若いやつでとにかく面白い奴がいるんだ。そいつは俺に「センスがあると思ったので師匠にしてください」と言うんだ。口数が多くて、とにかく面白い奴がいるんだよ。人間ていうのは、服を着ているだけでいいんだ。オムツを履いてるだけで立派なんだ」
明石家さんま「人間、生きてるだけで丸儲けですね」
笑福亭松之助「彼は、人が笑っていることが自分の楽しみになる、それが笑いの神髄だ」



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