我らがさささんことsasatikkさんのスティムビーコンクリップを元に、声の波形を採取してみました。スティムビーコンとGoogle検索しようとすればさささんがサジェストされる今、さささんはスティムビーコンの代名詞といっても過言ではないでしょう。たぶん。
このクリップは、配信でハイヘルツが飛び出すたびにリスナーらがチャット欄に貼り付けて比較検証を行っているもので、大変意義深いクリップとして知られています。
さておき、スティムビーコンと最も紐づけられた男ヤマ、その声の波形を分析した結果、750 Hzの高音成分が基音となっていること、倍音成分が豊かで、無理なく出している声であることが分かりました。
以下は、素人のこねた粘土がごときものですので、ご笑覧いただけましたら幸いです。
上図:ビーの瞬間を捉えたもの
1 題材とした音声について
図をご覧ください。
これは、
の音声を一部抜粋し、波形に表したものです。
クリップ中最初の「スティムビーコン」のうち、最も音の響きが豊かな「ビー」の部分を用い、フリーソフトウェアWaveSpectraにより分析しました。ちなみにこのクリップ、出だしからメチャ・高い音です。
なお、100 hz付近はゲームの足音が主です。
2 さささんの声
さて、図中、黄色で示した区間がさささんの声のボリュームゾーンです。
このボリュームゾーンは、われわれがさささんの声として認識している音の主たる部分となります。
横軸は周波数(Hz)です。
さささんの声を最も特徴づけているのが、ボリュームゾーンの左端、基音です。
他の周波数に比べて、ひときわ大きな山を作っています。
このヤマの音の高さ750 Hzはどんな響きでしょうか?
簡単な比較をしてみます。
http://gakusyu.jp/musictheory/frequencies_of_88notes.php
750 Hzですから、F#5からG5の中間あたりに相当するでしょう。
番号78と79を聴いてみてください(※音量に気をつけてください)。
非常に高い音だと感じるはずです。
これは、オペラ歌手でいうと、メゾソプラノの最高音に相当します。
ソプラノ歌手の最高音と比べても、3度しか違いません。
(最高音については諸説あるかと思いますが、大体そのくらいだと思ってください)
さささんはそういう次元でスティムビーコンを使い、戦っているのです。
3 スティ↑ム \ビー/ コン
さて、さささんのスティムビーコンのベースとなる音が、非常に高いヘルツであることが分かりました。
では、ただ高いだけでしょうか? いえ、違うのです。
高い声といえば裏声を思い浮かべる人は多いはずです。
さささんの声は裏声でしょうか? 以下に検討してみます。
裏声といえば、ミッキーマウスの声が有名ですね。
われわれは、ミッキーマウスのような声を、裏声であって明らかに地声でないと認識することができます。
何が裏声と地声の差を生んでいるでしょうか。
細かいことは割愛して、答えだけ書いてしまいます。
倍音の豊かさの違いです。
裏声は、倍音成分が地声よりも少ないのです。
地声で6倍音まである人も、裏声を出すと2倍音までしかない、といった感じです。
倍音成分が少ない声を、われわれはわざとらしい、裏声だ、と感じます。
それでは、もう一度図を見てください。
さささんの声の倍音成分はいかほどでしょうか。
図示してみました。8倍音まであります。
この豊かな倍音成分からは、次のことが示されます。
・裏声でなく、むしろ地声に近い
・特に無理をして出している声ではない
・非常に通る声、非常に耳に残る声である
この豊かな倍音成分ゆえに、さささんの声をミッキーマウスと結びつけた人はそんなにいないはずです。裏声にはなかなか聞こえないからです。
さささんは、きわめて自然に高いヘルツを出していたのです。
3 ささ楽器
余談ですが、今まで見ていた波形の上の、のこぎりの刃みたいなギザギザについて付け加えます。
同じ形の波が連続しています。横軸は時間です。
「一定の音を安定して出している」、そういうグラフとして現れています。
ヴァイオリンとか、トランペットとか、そういう楽器に近いです。
スティムビーコンクリップの中毒性は、こういったところにもあるのかもしれません。美しい波形ですね。
4 スティムビーコンが200円する時代
一説によれば、購入するために200円を必要とした時代が存在した可能性の残るスティムビーコン。すでに上代ならざる現代では、それを明らかに裏付けるものはなく、おぼろげに人々に語られるに過ぎない。スティムビーコンクリップは、人々の寄る辺ない記憶に、あり得べき問いを投げかける山本の一石であった。今や、スティムビーコンは200円だ。山本の指摘から11ヶ月16日後、スティムビーコンが200円する時代は、遂に、確かにここにあった。
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