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物を持ち上げるのに最も適した姿勢?



記事の概要

日常的に医療従事者やフィットネス業界では腰痛持ちの患者に対してリフティング(持ち上げ)動作の指導を行っている様子を見かけます。
しかしその多くは何かエビデンスに基づいたものではなく、文化的/伝統的に正しいだろうと考えられてきた方法です。
本記事ではリフティング動作に関する患者・医療従事者の考え方から予防効果、因果関係の説明を行いリフティング動作について現在どのような誤りがあるか、どうあるべきかについて言及していきます。

序論

姿勢と腰痛に関連する信念はいくつかありますが、その中で大きな影響力を持った信念には物の持ち上げ(リフティング)姿勢があります。

一般的には腰椎を屈曲した姿勢(猫背)よりも脊柱ニュートラルか伸展位、膝伸展位よりも屈曲位の方が良いと信じられており、フィットネス業界や医療業界ではそのように指導されることも多く見かけます。
この姿勢はデッドリフトポジションに類似しています。

デッドリフト


[デッドリフトポジション]

しかしこの信念は明らかな証拠に基づいたものではなく、経験やそう言われてきたからそう伝わったものであり、文化的なものです。

【用語解説】
信念:真実または現実として受け入れるもの(Something one accepts as true or real; a firmly held opinion):[1]

このような信念が形成される際における医療従事者の影響は大きい可能性があります。

患者の信念に対する医療従事者の影響

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