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Vol.9 自分と合わない上司、組織との向き合い方編

このnoteも9回目を迎えました。

今日は、自分に合わない上司の元で、合わない組織の中でどのように生きていくか、ということを書きたいと思います。

まず、すごく当たり前のことから書きます。
合わない上司、組織に当たってしまった時、僕らには2つの選択肢が用意されています。

続けるのか、やめるのか。

そこにいる価値を何も見出せなかったり、
そこにいるデメリットの方が大きいのであれば、やめればいいと思います。

少しでもそこに価値を見出せたり、
やめることのデメリットの方が大きいと考えるのであれば、続ければいいと思います。

そしてこの時、続けるにもやめるにも「覚悟」が必要です。
一番ダメなのは、やめることではありません。
中途半端な覚悟で組織に残り続けることです。

僕はこのnoteの中でこれまで何度も書いている審判養成コースのことが好きではありませんでした。
そこにいる講師のことも好きではありませんでした。笑

1年生、2年生の時は、
Vol.7の先輩としての振る舞い編でも書いているように「いけてないやつ」のレッテルを貼られ、特別この組織にいるメリットも感じていませんでした。
でも、僕にはやめるわけにはいかない、明確な理由と覚悟がありました。

それは、絶対に「コースをやめたやつ」というレッテルを貼られる訳にはいかない、という自分のプライドを守るためでした。

この組織には歴代の先輩も後輩も含め、多くの東京都所属のレフェリーがいます。
僕も東京都に所属しているレフェリーです。

レフェリーってすっごく狭い世界なんです。笑
なので、今後東京でレフェリーに関わり続けるならば、この組織で4年間耐えることと、今後そのレッテルを背負い続けるのことを天秤にかけた時に、
そのレッテルを背負う方がよっぽどデメリットが大きいと考えていました。

実際、この時の判断は間違っていなかったと思います。
あの時やめていれば、
「やめたやつ」のレッテルとともに暮らさなきゃいけなかったし、
先に書いてしまうと、
何より僕は最終的にこの組織で自分の信念を貫き、満足のいく活動が出来てしまったんです。笑

おもしろいものですね。笑

ここからは、自分に合わないと感じていた組織で自分のやりたいことを満足にやってしまった、そんな僕の苦労と成功の記録を綴りたいと思います。

ではまず、先ほど間違っていなかったと書いた僕の判断を見直すところから始めましょう。
これは半分は正しくて、半分は間違っています。

というのも、
もし4年間、1つのミスも犯さず完璧に「良い顔」をし続けられるのであれば、デメリットを回避するという目標は達成できると思います。
ですが、この組織での活動を片手間で完璧にやるほど僕のキャパはないし、そんなに甘い世界ではないし、そもそもそんなの全くおもしろくない。

なので、このモチベーションで組織に残ってしまった場合、
結局、「あいついけてなかった」というレッテルが貼られ、
卒業後も、何のためにやってたんだろうという喪失感が残るはずです。
これでは、じゃあもっと早くやめて、好きなことに時間使えば良かったね、となってしまいます。

こんな風に時間を使うのはあまりにももったいない。笑

こんなことを悩んでいた3年生の夏の終わり、
僕はNetflixであるドラマ達にに出会いました。

ひとつ目は、小栗旬と西島秀俊がW主演をしていた『CRISIS -公安機動捜査隊特捜班-』というドラマで、僕は第5話でのセリフに深く心を動かされました。

小栗旬演じる稲見という公安に務める刑事が、
ある暴力団に潜入捜査をしていたのですが、国家の上層部がその暴力団が握っていた都合の悪い真実を隠すために、稲見の潜入中に暴力団を殲滅させました。
その行為に加担してしまった責任を感じ、許せなかった稲見は、上層部の誰が黒幕だったのか、彼の上司である鍛治を問い詰めるのですが、
この鍛治さんのセリフが全てでした。

鍛治
「死んだ暴力団員のために復讐でもするのか?
勘違いするなよ、死んだ連中は善人じゃなかった。この国に薬物を蔓延させようとしていた悪人だ。」
稲見 
「だから殺されても構わないって言うんですか?(中略)
私の流した情報で人が殺されたんです。
私は薄汚い仕組みに加担したんです。」
鍛治
「薄汚い仕組みを変えたかったら、
正義感に縛られて動きを不自由にするな。
善も悪も全て取り込んでしなやかに動け
そうやって蓄えた力で、いつか本物の悪を叩けばいい」

この言葉は、講師から言われたことや、納得がいかないこと、理不尽なことにいちいち反応し、
自分の正当性を主張しようとしたり、
真っ向から組織を否定しようとしていた僕のことを思いとどまらせてくれました。

また、篠原涼子主演の刑事ドラマ『アンフェア』の寺島進演じる山路管理官も僕に組織での生き方を教えてくれました。

流されても染まらなきゃいい。
組織の中に入り込まなきゃ、信念は貫けないってことを
流されたフリをしてやれば裏でしたたかに動くこともできる
それに組織の中にいるからやれることがある
はじき出されたらおしまいだ。

どんなに正しいことを主張したって、
はじき出されたら終わりなんですよね。

僕は気づきました。
あまりにも子供だったな、と。

声高に正しいことを主張することは全く正義ではないんだと。
組織で生き残らなければ主張さえも出来ないんだと。
信念を貫くためには、
時には流されたフリをして、おかしいなと思うことをグッと堪えて笑っていなければいけないこともあります。
そして組織での立ち位置を確立できた時に初めて言いたいことが言えるんだな、と。

僕はこれに気付いてから明確に考えを変えました。
いきたくもなかった大人との飲み会に顔を出し、盛り上がり、
後ろ向きにやっていたコースでの活動に全力で取り組むことにしたんです。

その全力で取り組んだ最初の活動が、Vol.6で書いたプレゼン活動でした。
僕が「変わる覚悟」を持ってからラッキーなことにすぐチャンスがやってきました。
いや、もしかしたらチャンスはどこにでもあって、それを掴もうと足掻くだけなのかもしれません。


僕はプレゼンで自分を曝け出し盛大にリセットボタンを押しました。

通常の研修会でやっていた映像分析では「結局何をやっていいのか伝わらないのでは?」と疑問を感じていたので、
学生間での映像分析会を自主的に企画しました。
そしてそれが評価されました。

飲み会で盛り上がり、評価されました。

後輩達への指導方法にずっと疑問を持っていたので、
自分は全く別のアプローチで後輩に向き合い、後輩を全力で守った結果、それが評価されました。

勇気を出して、
後輩達に向けて、「マル」や「バツ」だけで評価してしまう組織、「良かったね」と言ってあげられない組織の評価に囚われすぎないでねというプレゼンをしました。

でも、飲み会に顔を出して、盛り上がったので「お前変わったな」と評価されました。

合宿で、
圧力に負けそうな後輩達に向けて、組織の顔色を伺ってレフェリーをしないでね、何のためにレフェリーをするのか見失なわないでね、というメッセージを伝える研修会をしたら、それが評価されました。

そして飲み会で盛り上がり、「嬉しいよ」と評価されました。

結果的にどうでしょうか。
僕は信念を貫くことが出来ました。
そして、「良かったよ」と評価されました。

皮肉なものです。

でも、僕が嬉しくも悔しいのは、
この組織に熱を注げば注ぐほど、
嫌いだったはずの講師と絡めば絡むほど、
どんどん距離感が近くなっていって、どんどん活動がしやすくなっていって、
自分の信念と僕が悪だと思っていたものは、根本は実は同じだということに気づかされました。

レフェリーとして、どのように成長するのか
レフェリーだけでなく、どう人として成長するのか

これは全く一緒でした。

ただ、そのアプローチ方法が違っていたり、
考え方が違うところがある、ということなんです。

ある組織に属すると決めてしまったのであれば、
研修会に来てしまったのであれば、
合宿に来てしまったのであれば、
飲み会に参加してしまったのであれば、
「覚悟」を決めなければなりません。
その覚悟がないのであれば、やめた方が自分の健康に影響は出なさそうですね。笑

そして、この組織で生きると覚悟が持てた人は、
その組織に両脚突っ込むと決めた人は、
中途半端な覚悟で参加している人よりも、
確実にそこから得るものがあり、成長します。

全てが正しい完璧な組織なんてありません。
僕は4年間を終えた今、この組織が全て正しいとは思いませんが、
全てが間違っているとも思いません。
人によっては楽しいことが、人によっては苦しいかもしれない。
だから、同じ組織にいても得られることは人それぞれです。

でも、一つだけ絶対的なのは、
両脚突っ込む覚悟が持てた人にしか、本当に正しいことと、間違っていることは見えないということです。
両脚突っ込んでない人は、その本質が見えていないので批判する権利も与えられません。
「文句言う前にやれば?」と。
事実、僕は本気で向き合ってから初めて、自分と組織の共通点に気づきました。
そして、間違っていると思うことは勇気を持って伝えましたが、それに対して批判をする講師はいませんでした。

だから僕は思うんです。
自分の信念さえしっかりしていれば、
何を企画しようが、生意気なこと言おうが、ちゃちゃ入れられたとしても、本質的な批判って受けないんです。

今、組織と自分の思いとの違いに苦しんでいる後輩達には、
まだその思いは、絶対的な信念ではないんじゃない?
その思い、まだ人前で表現できるほど自信は持ててないんじゃない?
だから潰されそうになっちゃうんじゃない?と伝えたいと思います。

何が正しいのか、正解を模索するのではなく、
自分が何を信じるのかという信念を探す旅に出てください。

それが固まっていないうちは簡単に潰されてしまうので、
今いる組織のことを全力で取り組んでみてください。
そして、これは納得出来る、これは納得出来ないという自分の思いを、決して表には出さず、でも自分の心の内に大切にしまっておいてください。

もしそこで苦しんだとしても、それは「これは絶対に人にはしない」という自分の確固たるポリシーになります。
このポリシーはそう簡単には潰されません。

そして、全力で取り組んでみた時に、
ふと振り返ってみてください。
自分の後ろには、全力で取り組む中で築いた信頼があり、
自分が心の内に大切にしまってきた良い経験と悪い経験は、自分の絶対的な信念を導いてくれるはずです。

これが僕の4年間の学びです。


合わないなと思う上司がいる人、合わないなと思う組織にいる人、

一度批判する自分を抑えて、逃げないで向き合ってみませんか?

すると、見えてくる景色があると思います。

この景色はとっても素晴らしい眺めでした。


前回に続きだいぶ焦げ付いてしまいましたね。笑

それでは。

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