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洞爺の大地で生まれた一体感と今も鮮明に残るこの余韻は何なのだろうか?

北海道洞爺に集まった40名の若者。
舞台は東京ドーム3つ分の面積全てを無肥料、無農薬の自然栽培で行う佐々木ファーム。

心が動いた事を伝えるたくさんの涙と、何かが生まれていく場を共有している一体感と、同志がここにいることの安心感と、豊かな自然と新鮮な食材と。
「おいしい」「楽しい」「嬉しい」「ありがとう」「来てよかった」「出会えてよかった」そんな言葉が飛び交う場。

そしてその全てがとても「豊か」である事に気づいた4日間でした。

これは「大地と私たちそして未来へ」というテーマを掲げ洞爺の大地や循環農業のリアルを実際に体感し、循環の中にいる私たちという実存そのものに向き合い、気づきを得ることを目指す「ちきゅう留学」というイベントです。

参加者はほとんどが初めまして。
過ごした期間は4日間だけ。
共通点は今の世の中に何か違和感を抱えている事と、全国から洞爺まで来てしまうという事。(笑)

そんな場で生まれたのは、共感と同志と豊かさと、
そしてイベントが終了した今も余韻に浸ってしまう言葉に出来ない感覚。
充実感と喪失感。

なぜこんなに素晴らしいイベントになったのか?
様々な理由が複合的に絡んでいるので一言で言い表せるものではないけれど、帰ってきて以来悶々と考えていた中でふと出てきたキーワードは「強み」と「リーダー」、「仲間」に紐づく「ありがとうの循環」です。

これは僕がお世話になっているサッカー監督の石原孝尚さん(タカさん)とお話ししていた時の気づきで、タカさんは「強み」と「リーダー」、「仲間」の理想をこんな所に置いています。

強み
 強みは特徴(好き・得意)×環境

 大事なのは環境

リーダー
 リーダーとは周りの仲間の「今も未来も」幸せにする人。
 そのための「チーム(仲間・繋がり・場)」を創れる人の事。

 なんかその人がいると場が明るくなるとか、いじられているけどみんなが笑顔になるとか。それも場を創るという意味ではリーダーである。

・仲間 
ありのまま(Being)を認め合い、挑戦(Doing)を応援しあえる仲間。

ありのままを認めてあげると、自然と次こうやってみようという挑戦をするようになる

このお話しを聞いた時に、悶々と考えていたものの一つがスッと繋がりました。

ここではみんなが強みを発揮していました。

思い返してみると、
料理が得意な人は料理をでみんなを笑顔にして、
ダンスが得意な人はダンスで場を盛り上げ、 
歌が上手な人は歌で場を一つにする 
キャンプ経験者はテント設営でリーダーシップを発揮したり、 
絵が上手な人は素敵な絵で場を和ませる 
話を聞くのが上手な人はじっくり話を聞いて 
字を書くのが上手な人は色紙に素敵な字を書いてグッと格を上げる、
写真を撮るのが得意な人は写真でみんなを笑顔にする 
畑に詳しい人は畑に行くと引っ張りだこになる 
話が上手な人は言葉で場の共通認識を整理したりする、 
司会が上手な人は場を観察して適切にリードし続ける 
音楽が好きな人はその場にあった選曲で場のリズムを作る 
火おこしが上手な人はみんなが集う場を作る 
いじられキャラは全力でいじられる事でみんなを笑顔にする 
勇気を持って発言する人は無意識でも場の一体感を作り出す 
素直に感情を出せる人はそれだけで場の一体感を作り出す

まだまだ上げ切れない程輝いていたみんなの強み。

これを引き出したのは「環境」だったのだと繋がりました。
一見何もない大地、でもその不足感と余白が大事だったのだと思います。

不足感からは一人で何でも全部出来る訳ではないという気づきと、助け合う関係性が、
余白からはゆっくりでも自分が持っているものを外に出せるまで待ってくれる環境が生まれました。

普段僕らが暮らす都会では何もかもが揃い過ぎて、何でも一人で出来る気になってしまったり、その結果「繋がり」が希薄なものになってしまったり、
余白は高速で埋め尽くされてしまうので、アウトプットにも速さが求められて自分が持っているものを外に出せるまで熟成する時間がなかったのだと思います。

みんながそれぞれ自分が持っているものを出すと、その場では自然とリーダーになります。
いっつもリーダーな人はいなくて、みんながリーダーとフォロワーをすごく緩やかに滑らかに行き来している、そんな環境でした。
みんなが自分が得意なもので場を創っていっている実感があるし、いじられキャラが全力でいじられたり、勇気を持って発言してくれたり、素直に感情を出してくれたり。本人はそのつもりがなくても、それもまた素敵な場創りのリーダーなんだよ。そんな風に思います。

誰かの当たり前は誰かの当たり前ではなくて、
自分にとっては全く当たり前じゃない事をやってくれるので、ここに「ありがとう」が生まれます。まさに有難い事、です。
「ありがとう」を受けた人は自分にとっては当たり前の事をやっているのに感謝されるので嬉しい気持ちになります。
最初はこんなんで「ありがとう」言ってもらえるの?という思いがあっても、みんなからたくさんの「ありがとう」を受け取る内に自信が芽生えてきて、その自信は余白となり、次の人への優しさに繋がります。
「ありがとう」が生まれて、「ありがとう」が循環していく、そんな繋がりが僕らが今も共有している余韻と充実感の正体の内の一つなのだと思います。

僕らはお互いに助け合いながら、感謝し合いながら、仲間になりました。
自分が得意なものを出せた事、また不得意な所は勇気を出して伝えてみると誰かがそっとカバーしてくれる事を肌で感じられていくと、そこにはありのままを認めてもらっているという安心感が生まれます。得意も不得意も個性です。
今回集まった40名はありのままを認めてもらえる仲間の存在を胸に、次の挑戦を初めていきます。

僕らは仲間というよりも同志という言葉を使うようになりました。
知人でもなく、友人でもなく、同志です。
これはゲストに来られていた鈴木寛さん(元・文部科学副大臣)の言葉です。

「SNSで知人は出来るんだけど、友人は出来ない。
 こういう所で一晩語り明かすと友人になる。
 一緒に苦しんで何かを成し遂げると最後は同志になっている。」

イベントにゲストで来られていたeumo代表の新井和宏さんはこんな事を仰っていました。

「同志になるのに業種とかは関係なくて、どの山登りますか?という事に対して、東西南北どこから登りますか?というのが業種。登るまでは会えないんだけど、登り切ると会える。お前そっち登ってきたのかという感覚。同じ山に登っているから会える。 だから会った感覚なんですね。
僕と矢部さん(茶匠 矢部園代表)は違う方向から山を登っているんだけど、会えたんです。」

みんながどこから山を登る事にするのかとか、何合目かの山小屋でばったり会えるかな〜とか、一緒に登る人が出てくるかもしれないとか、ちょっと先に登った人はここの崖は危ないよって共有してあげたりとか、頂上でまた写真撮ろうね!とか(笑)
そんな事を楽しみに自分も新たな歩みを進めていけそうです。

企画、運営していただいた方々、参加していただいた方々、支援をいただいた方々全ての皆様に改めて感謝致します。
企画なしでは、参加者なしでは、ご支援なしでは成り立たない奇跡的な場でした。
皆様、ありがとうございました!


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