河童 概要
天下分け目の戦から幾日か過ぎた日。
旅の坊主が古びた小さな社で一夜の宿をとっていると、そこへ怪我をした若い侍が転がり込んでくる。名を康介と名のり『落ち武者』と身を明かした。
暗くなり、落ち武者狩りから逃げているから『匿ってほしい』と坊主に頼む。坊主は康介を手こずりながらも屋根裏に隠し散策に来た落ち武者狩りをやり過ごす。
安心と思えるほどの間が過ぎ康介を屋根裏からおろし、眠りにつくと外で何やら怪しい気配。その気配が社の戸に手を掛けた時。
坊主はその者を取り押さえる。
取り押さえられたものは、意外にも若い娘だった。
『こんな夜中に』娘に問いただすと女の一人旅だと解る。
坊主と康介が驚いたのは『女の一人旅』ではなく、女が語り始めた、つい先ほどの体験だった。
娘が言うには、得体のしれない子供ぐらいの『気味の悪い』ものに襲われ、短刀で切りつけ逃げてきたとのこと。坊主と康介は信じられないと思い、疑っていたが娘の胸元を見て、話を信じるしかなかった。
娘の胸元には、その生き物の切り取られた腕がしがみついていた。
驚き、信じるしかなくなる坊主と康介。そうこうしている間に社の外には怪しい気配。坊主と康介がその気配を捕らえてみると近くの村の者たちだった。
『なぜ今ここに』不審に思っていると、村の者たちは切り取られは腕に気づく、それと同じような干からびた物が社の奥にあるという。
それをみると確かに同じ腕。それは『河童の腕』だとのこと。
村の者たちは年に幾度がこの社で河童たちと取引をするという。坊主たちが河童たちに恨まれているかもと不安になる村の者たちは、関わり合いになりたくないと社を出ていく。
その後、坊主たちは河童たちと争う羽目になる。坊主たちは敵意がないことを示そうとする。が、しかし・・・。
争いになる。得体のしれぬ河童と争っていると思っていた坊主と康介。しかし敵は違った。河童とのイザコザは娘だけ、坊主と康介はほかの敵がいた。争いの相手は自分たちの思う相手ではなく、お互いの利害と物事の基盤の違いから生まれてきた敵だった。
敵を知り動揺する坊主。心に願うことと違う結果をうむ。
血を流すだけで結果は何も変わらず、ただ不幸になるものが増えるだけだった。
自分とか周りの友人知人とか、楽しめるように使います。何ができるかなぁー!(^^)!