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起き上がろうと手足を動かすと身体がきしむ。 腰と脚に激痛が走った。 動くに動けない。痛みの…
「くっ・・気味の悪いやつらだ」 口から出る言葉は投げ槍になる。 なんとか身体を起こそうとす…
康介は足音に首を向け、目を細めて足音の主を確かめる。 幾人かの百姓女のようだ。 「何ごと」…
落ち着いて首を右手で触れる。それがきっかけで生首の目玉が動いた気がする。 「ウッ」 少し驚…
「うっっ」 だからと言って、眼から目を離せずにいる。 ぶら下がる首へと、語りかけたいが言葉…
引きずる亡骸が重いのか、体は傾き歩いている。 若く愛らしかった娘の姿も、河童の亡骸のよう…
「人・・・ひと。儂が必死になり・・・人だったか。」 自分が必死にやったことを想像して思考が止まる。 ふと自分の左腕に痛みと、重さを感じ、しかも動かないのに気づき目を腕にむける。 腕は切口がいくつかと、そこから滴る血が見える。 その流れる腕先には黒い髪の毛と・・・。 「なんだ・・・。」首を傾け動かぬ腕の先をみる。 「くび・・。」 生首だった。 「うわっ」 坊主は驚き、振り払おうと腕を振るが思うように動かない。 神経をやられたのか筋をやられたのか眉間に伝わる痛みが増す。 昨夜は
グサッ、グサッと娘が腕を振り下ろす度に音がする。 先程まで昆虫のように苦しみもがいていた…
坊主は背中に大樹をつけ、刀を目の高さで前方に構える。 大きく息を吸い込みそしてゆるりと息…
「いる。確かにいる。」 それが解る。 感じているのは殺気、闇の中に観えているのは影だった。…
坊主は怒鳴る。 「ならば覚悟だ。」 叫んで決意を我が身に畳み込む。 坊主は康介の傍らにある…
坊主の姿に康介が近寄ろうとするが、我が身の不自由が腕だけを伸ばしてゆく。 「坊主どの」 そ…
「静かだ」坊主は呟く。 外には風の音。 雨はやみ雲が星の微かな光をもを遮る。 落ち着かせて…
康介は坊主が策を話し始めるだろうと黙り待っていると。 「無いのならばやってみる」 康介と娘へ視線をなげると、 「では」と動き始める。 娘の方はすでに判断ができない心であろうが、康介としては坊主の策を聞いておきたかった。 坊主は河童の亡き骸に手を合わせ、その足を掴み戸口へと向かい外の様子をうかがう。 ゆるりと戸口を開け、河童の亡骸の足を掴んだまま外へと引きずり出していった。 娘も呆気にとられそれを見ている。 康介も何をするのか聞けずに見とれている。 「なっ、何を」 そこまで言葉