メイホリック朗読劇「箱庭同窓会」観劇を終えて

人間の無意識な言動、思い込み、立場の違いによる印象、記憶の微妙な改竄等が集積する事により凶悪な悪意として一人の人間を追い詰めていった顛末を描いた朗読劇。
登場人物は誰一人明確な悪意を持っていなかったが積み重なったものが生み出した結果にそれぞれが深い後悔を刻み込んでゆく苦い結果だった。
その中で僅かな希望を見出せる形で幕を閉じる・・・はずが最後の仕掛けにより明確な悪意の存在が明らかにされた事により語られた全ての言動の持つ意味が反転してゆくと言う心に深く突き刺さるストーリー

演劇ユニット「メイホリック」脚本高羽柊奈氏と演出岡本芽子の本領発揮とも言える物語は、キャストの方々の熱演により、繰り返し観ることにより深く心に突き刺さってゆく。
箱庭同窓会では朗読会という形ながら、キャストの方々のセリフの抑揚、表情、視線、仕草が語る部分が重要で更にストーリーを知る事により、それぞれの意味を更に深く理解をすることが出来、物語の深みを与えてくれている。

また、メイホリックの朗読劇は凝縮された物語の中で語られなかった部分を想像すると更に物語世界の奥深さに気付かされる絶妙のバランスも素晴らしく、考えることをも楽しめる舞台となっていてこれからも物語を紡いで行って欲しいと思っている。

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