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女子学院中学の2024年度国語入試|本の紹介

女子学院中学校の2024年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!


篠田桃紅「その日の墨」

河出書房新社 (2014/12/8)

内容紹介

筆との、墨との出会い。戦争中の疎開先での暮らしから、戦後の療養生活を経て、墨から始めた国際的抽象美術家の代表作となる半生記。

著者紹介

篠田桃紅 しのだ・とうこう

美術家。1913年(大正2)年3月28日生まれ。5歳の頃から父に書の手ほどきを受け、桃紅という雅号が付けられた。戦後まもなく墨を用いた抽象表現という新たな芸術を切り拓く。1956年に単身渡米。ニューヨークの一流ギャラリーで作品の発表を続け、世界的な評価を得る。作品は国内外の美術館、海外王室、宮内庁、政府公共施設など数十ヵ所に収蔵されている。2021年3月1日永眠。

著者の他の本

「一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い」
幻冬舎 (2017/4/11)

「いつ死んでもいい」なんて噓。生きているかぎり、人間は未完成。大英博物館やメトロポリタン美術館に作品が収蔵され、一〇〇歳を超えた今なお第一線で活躍を続ける現代美術家・篠田桃紅。「百歳はこの世の治外法権」「どうしたら死は怖くなくなるのか」など、人生を独特の視点で解く。生きるのが楽になるヒントが詰まったエッセイ。

「これでおしまい」
講談社 (2021/4/1)

一〇七歳の世界的美術家が最後に遺した「人生のことば」
歳を取るというのは、悲しむだけのものでもない
歳を取ってはじめて得られる喜びがある



三月一日に一〇七歳で世を去った篠田桃紅さん。
この本の制作途中、「これが最後の本になる」と繰り返し言っていました。
桃紅さんの人生哲学を短い言葉で伝える「ことば篇」と、
これまでの人生を写真と文章で振り返る「人生篇」、
二部構成でお届けする、最後にして決定版と言える著作です。



戦後、世界のアートシーンを牽引するニューヨークに単身で渡り、国際的な評価を得た篠田氏は、日本で最初に自由を希求した女性、と言えるかもしれません。その人生は冒険と波乱に満ちていましたが、自分の心のままに道なき道を歩いてきました。

いまより女性の生き方の選択肢がずっと狭く、さらに戦争、結核など、死と背中合わせにあった 昭和の時代に自由を貫くことは並大抵のことではありませんでした。「人生編」で桃紅さんはこう語ります。

「自由というのは、気ままにやりたい放題することではなく、自分というものを立てて、自分の責任で自分を生かしていくこと。やりたいように振る舞って、人にも頼る。それは自由ではありません。自分の行動に責任を持って考え、自分でやる。それが自由で、だから自らに由る(=因る、依る)という字を書くのです」



今の時代、自由の大切さを誰もがわかっているけれど、「自らに由って立つ」ことの難しさは変わっていないかもしれません。

本書の桃紅さんの言葉は、自分らしい人生を生きたいすべての人に向けての、エールとアドバイスになるでしょう。


大竹伸朗「見えない音、聴こえない絵」

筑摩書房 (2022/8/10)

内容紹介

東京都現代美術館での「全景」展、北海道の牧場での個展、瀬戸内直島の銭湯等個性的展示の日々。新作木炭線画30点収録。解説 原田マハ、石川直樹

世界は絵画だと思った。
新作木炭線画30点を収録。
解説 原田マハ、石川直樹

エネルギッシュに創作し続ける画家・大竹伸朗。創作に駆り立てる衝動とは何か? 東京都現代美術館での大規模回顧展「全景1955‐2006」、18歳の時に働いた北海道別海の牧場での個展、瀬戸内直島の銭湯など個性的な展示の続く日々。それらに向けての軌跡を描くエッセイ。原点と現在を繋ぐ書き下ろし「絵ビートの轍」、新作木炭線画30点を収録。

解説 石川直樹、原田マハ

著者紹介

大竹伸朗(おおたけ・しんろう)画家。1955年東京生まれ。74年~80年にかけて北海道、英国、香港に滞在。79年初作品発表。82年以降、東京、香川、広島、ソウル、ロンドン、シンガポールにて個展。瀬戸内国際芸術祭、光州ビエンナーレ、ドクメンタ、ヴェネチア・ビエンナーレ、横浜トリエンナーレ、アジア・パシフィック・トリエンナーレ、ハワイ・トリエンナーレなど国内外の企画展に参加。著書に、『既にそこにあるもの』『ネオンと絵具箱』(ちくま文庫)、『ビ』『ナニカトナニカ』(新潮社)ほか多数。2022年11月に東京国立近代美術館で回顧展を予定。

著者の他の本

「カスバの男 モロッコ旅日記」
集英社 (2004/7/21)

異色の旅日記が文庫化。やむにやまれぬ旅への衝動にかられ、モロッコの土を踏んだ画家が、アーティストならではの鋭い目で、熱風うずまく町の風景や逞しく生きる人々の姿を自由な言葉で描きだす。(解説・角田光代)

「直島銭湯 アイ・ラヴ・湯」
青幻舎 (2010/7/30)

絵本、写真、立体、コラージュ、音楽活動など多彩な表現で
現代美術の最前線を疾走する大竹伸朗。

2009年に営業を開始し、話題を呼んでいる直島銭湯「I・ラヴ・湯」。
廃船のコックピットが目を引く外観、海中をイメージした浴室・・・。
アート観賞と入浴行為が一体化した世界的にも類例のない「作品」は
大竹伸朗の世界観を昇華させた最高傑作と称されています。
外観から浴室、脱衣室、トイレに至るまで、
大竹の世界を文字通り全身で体感できる新たな芸術!
そのすべてを収録したジャバラ式・ビジュアルブック。
瀬戸内国際芸術祭開催に向け緊急発売します!



21世紀の全体芸術が出現した。
ワーグナー流の楽劇?
北京オリンピックのスタジアムと開会式のイベント?
いや、ささやかな銭湯だ。
疑うものは直島に行き、大竹伸朗の手になる「I・ラヴ・湯」を見るがいい。

浅田彰(朝日新聞、2009年10月8日記事より)

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