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桜蔭中学の2024年度国語入試|本の紹介

桜蔭中学の2024年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!


最果タヒ「恋できみが死なない理由」

河出書房新社 (2023/10/25)

内容紹介

「あなたの今の一瞬に向けてだけ、好きだと言えるのが、その刹那な奇跡的な断言が、私にとっての愛情です」(本文より)――最果タヒが贈る、最高に自由でリリカルな最新エッセイ集!

[目 次]
一生じゃない好き
青春という言葉が
「わかってほしい」愛
私はいつも恥ずかしい
二度寝の代わりの朝マック
誰も知らないアニメ
資生堂パーラーでオムライス愛
言葉は悪人になったほうが書きやすい
永遠育ちの石
遠くて他人のスーパーヒーロー
さみしさの稲穂
ご挨拶2017
私未満をやめたくて
VS「今読むべき本」
普遍より最高でいて
マイ・スイート・派手
ブルベの恋♡イエベの愛♡
愛は全部
今日も、あの歌は歌われる。
傷口
花を消費する
さみしさ完結編
最大級に透明な詩人
恋できみが死なない理由
インターネット蕁麻疹
私をきみの黒歴史にして。
コロナ禍日記特集に書いたもの
後天的子供
好きのシンプル
大丈夫、嫌いだよ。
私が見ている空の青さは
幼さを思い出すことはできない。
大人になる
飽きてOK
さみしいままでいるために。
散歩する思考
必ずきみが愛さなくちゃいけない人なんて、いない。と、愛して、伝えたい。
神様の白髪東京の流星
主人公になれない人生
タクシーの窓から
ここは永久に恐ろしい孤独
だから、暗闇へ。
阪神淡路大震災
言葉を、言葉が越える。
感傷が嫌
言葉という「暴力」と、付き合う。
花だよ
不自然による不自然のための不自然なコミュニケーション
かわいいひとたち
Hello World
宇宙・わからなさ・言葉

著者紹介

詩人。1986年生まれ。2004年よりインターネット上で詩作をはじめ、翌年より「現代詩手帖」の新人作品欄に投稿をはじめる。2006年、現代詩手帖賞受賞。2007年、第一詩集『グッドモーニング』を刊行。同作で中原中也賞を受賞。

以後の詩集に『空が分裂する』、『死んでしまう系のぼくらに』(現代詩花椿賞)、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年、石井裕也監督により映画化)、『愛の縫い目はここ』、『天国と、とてつもない暇』、『恋人たちはせーので光る』、『夜景座生まれ』、『さっきまでは薔薇だったぼく』、『不死身のつもりの流れ星』、『落雷はすべてキス』がある。2017年に刊行した『千年後の百人一首』(清川あさみとの共著)では100首を詩の言葉で現代語訳した。2018年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。小説作品に『星か獣になる季節』、『渦森今日子は宇宙に期待しない。』、『十代に共感する奴はみんな嘘つき』など、エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』、『「好き」の因数分解』、『コンプレックス・プリズム』、『恋できみが死なない理由』など、絵本に『ここは』(及川賢治/絵)、翻訳作品に『わたしの全てのわたしたち』(サラ・クロッサン/著、金原瑞人との共訳)がある。

https://www.shinchosha.co.jp/writer/5180/

著者の他の本

「コンプレックス・プリズム」
大和書房 (2020/3/15)

あなたがあのころに感じた傷は、いまどうなっていますか?

コンプレックス・プリズム、わざわざ傷をつけて、

不透明にした自分のあちこちを、持ち上げて光に当ててみる。

そこに見える光について、今、ここに、書いていきたい。 ーー「はじめに」より

今最も注目される稀代の詩人・最果タヒ。その大人気連載がついに書籍化!

書き下ろしのエッセイに加えて、書籍だけの漫画も収録。漫画は嘉江さん。

「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
リトル・モア (2016/4/22)

心の葉脈が透けて見えるのは、

最果タヒの瞳から放射される

光線のせいだ。

―― 松本隆(作詞家) オビコメントより


異例のひろがりで話題騒然となった『死んでしまう系のぼくらに』を超える、

待望の新詩集!
- - -
都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。
塗った爪の色を、きみの体の内側に探したって見つかりやしない。
夜空はいつでも最高密度の青色だ。――「青色の詩」より抜粋
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増山実「百年の藍」

小学館 (2023/6/28)

内容紹介

ジーンズに懸けた人々の百年にわたる物語。

鶴来恭蔵は、故郷の岡山県児島から浅草に来ていた。車夫の政次のアドバイスにより、憧れの竹久夢二に奇跡的に会うことができた。しかし翌日の大正十二年九月一日、関東大震災に遭遇。親を亡くした娘りょう、政次とでしばらく避難生活をしていた。りょうと児島に戻るという時に、政次からアメリカの救援物資にあったズボンを受け取る。生まれつき色覚に異常があった恭蔵だがズボンの藍色に魅せられ、国産ジーンズを作りたいと考えるようになる。

時代は進み、日本は太平洋戦争に突入し、鶴来家もその大きな波に巻き込まれた。

戦後、世の中が激動する中で鶴来の会社を支えたのは、りょうだった。そして、彼女も日本でジーンズを作るという恭蔵の夢を忘れてはいなかった。ある日、鶴来の家をひとりの男が訪ねてきた。恭蔵の思いは、途切れることなく繋がっていた――。

著者紹介

1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。放送作家として、関西の人気番組「ビーバップ!ハイヒール」(朝日放送系)のチーフ構成などを担当。2012年、「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補に。2013年、同作を改題した『勇者たちへの伝言』でデビュー。同作は2016年、「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞。他の著作に『空の走者たち』がある。

著者の他の本

「ジュリーの世界」
ポプラ社 (2021/4/14)

「あいつはな、誰よりも悠然と歩くんや」時代の大きな曲がり角となった70年代の京都に「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスがいた。無数の視線に晒されてもいつも目抜き通りの真ん中を歩き、商店街の一等地で眠る男。ガラス玉のような目で空を見上げる彼は、いったい何者なのか。なぜこの街にやってきたのか。交番に赴任したばかりの新人巡査・木戸が最初にその名を聞いたのは、ひったくりにあったと交番に駆け込んできた女性からだった。彼女は自分のネックレスを「河原町のジュリー」がひったくっていったと言うのだが――。京都国体の開催を機に、街から「異物」が排除されようとしていく中で、彼の伝説は生きていた。かつてこの街で彼と人生を交錯させた人々は、やがてその「真相」を知る。人間の自由と尊厳を昭和の時代と令和の現代に浮かび上がらせ、人が「物語る」ことの意味を問うた感動作。

「甘夏とオリオン」
KADOKAWA (2022/2/22)

人はいつだって、誰かを待っているんやね。

人はいつだって、誰かを待っているんやね。

大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。

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