障害児のお母さんを情報武装します! (国の就職支援サービス・・・無料も)

障害児子育て応援隊長のちゅうです。(元株式会社ゼネラルパートナーズ、障がい者総合研究所の所長・・・子育て以外の方が詳しいような・・・。)

障害のあるお子さんのお母さん、お父さんに役立てるような情報を発信しています。今回からの1コンテンツとして福祉×経営企画という切り口でお母さんに情報武装をしてもらって、子育ての不安などに対処する武器をお送りしたいと思っています。

まずは詳細お伝えするにあたって就職支援に関するサービスの概略を把握してもらいたいというのが今回の記事の趣旨です。

国が提供している福祉サービスはいくつかありますが、厚生労働省やサービスを提供している法人のサイトをみても、情報も多く、また立場上の(?)忖度もありわかりづらい。

なので私、ちゅうが「大局をつかんでもらう」「お母さん自身で自分のお子さんに必要な情報を取りに行けるようになってもらう」という2点を最優先として、情報にフィルターをかけ、独断と偏見も交えつつあえて情報を間引いてお届けしたいと思います。その点何卒ご容赦下さい。

また、これからの記事への理解を深めていただく一助になれば+先述した福祉関係者と会話をし円滑にお子さんの為の情報を自ら獲得してもらう為にも特有の専門用語や略語を覚えていただこうと思っています。

その名も「障害児子育て支援でる単」。

是非受験生の時を思い出して、お子さんの為にもご自身の為にも覚えてくださいね(笑)そのうちマガジンでもまとめたいと思っていますが、それまでは単語帳に各自おまとめいただく等してご利用ください。

■障害児子育て支援でる単

1:一般就労(いっぱんしゅうろう)

一般企業で働くことを示す、企業には法定雇用率という従業員〇〇人あたり〇人の障害者を雇用してくださいね(法定雇用率)という国のお達しがあります。それを守らないと企業は罰金をはらい、さらにお達しを一向に守らない企業は厚労省のサイトで企業名を公表される。公表は企業イメージの大きなダウンにもつながる、特に上場企業や対コンシューマー(個人向け)サービスをしてる企業はブランドイメージの低下から、株価や売上の低下につながるリスクが高い。これらを避けさせることを企業のインセンティブとして障害者の働き手を増やして貰おうというのが国の狙い。給与は最低賃金以上必須。反対語→福祉就労

2:福祉就労(ふくししゅうろう)

就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所で働くこと。一般就労がさまざまな理由で難しい障害者が働く場所、居場所としての意味合いも有。お母さん、お父さんが子どもから離れられる自由時間が確保できるという役割も担っている。A型は最低賃金以上の支給が必須だが、税金が事業所に入るのでその分A型事業所は固定費を減らす事ができる(人件費がかからないぐらいの資金手当てがあるというざっくりしたイメージ感でいいです。)、障害に配慮した働き方が実現しやすい。A型をステップアップの1つとして、A型から一般就労にうつる方もいる。またA型→就労移行支援事業と挟んで一般就労というような利用も可能。B型は最低賃金以下での雇用が許されている。より重度の障害者が働く場所+居場所なっている。反対語→一般就労

閑話:心無い就労継続A型事業所でこんな問題がありました(国もこれは問題だという事で平成27年の法定改正でテコ入れしました。)。1時間働こうがが8時間働こうが1日あたりもらえる売上(=税金)は同じな事を逆手にとって、人件費を圧縮する為に出勤時間を極端に短くする→商いの実態はほぼなくす→結果としてほぼ何もしなくても税金が手元に多額残るというカラクリ→経営者まる儲け・・・・・ひどい話です。

3:オープン(おーぷん)

障害を企業に伝えた上で入社すること。配慮をしてもらえるというメリットはあるが、働き方に配慮する働きを許容する為の別の人事制度(評価・賃金テーブルとか)が用意されている場合が多い。配慮と引き換えに賃金についてはクローズと比較しておおむね低い。ただし、企業によっては健常者と全く同じ人事制度を敷いている場合もあるのでその場合は健常者と変わらない扱いを受ける。

4:クローズ(くろーず)

障害を企業に伝えずに入社すること。健常者と同じ環境・人事制度にて働くこととなる。障害配慮については、伝えてないこともあり全くなし。見た目に障害がわからない場合や通院頻度が多い人は早期退職につながるケースもある。


前置きはここまでにして、本題に入ります!

■就職を実現する為に無料で使えるサービスを国が3つ用意

(※厳密には税金をお住まいの市区町村が利用者の代わりに払ったり、年収によっては無料じゃないんですが、大雑把に無料で覚えてもらって良いです。)

2006年の障害者自立支援法の施行により、就職に関しては3つのサービスが用意されました。どんな働き方を目指すかによって、または段階をおって使えます。

参考:厚生労働省が当時の問題踏まえどんなサービスにしたらいいか議論していた資料(障害者自立支援法における就労支援と障害福祉計画)もご参考まで↓

【1】一般就労したい(就労移行支援事業)

一般就労に向けた知識・訓練をつめる場所です。就労前に企業で実習として働いたり(企業での実習経験含む)、日々通う事で生活リズムの立て直し、障害への自己受容・ストレスマネジメント、就職指導・支援(ハローワークなどとの連携による求人の案内、履歴書作成、面接対策)などのコンテンツを提供している事業所が多いです。

2年間以内に就職を目指してもらう専門学校をイメージすると良いかと。早い人だと3か月ぐらいで就職できる方もいますが、2年間フルで使って就職される方もいます。専門学校に2年通うと250万~300万円程かかるようですが↓それが無料になるという感じでざっくり覚えてもらえれば大丈夫。専門学校なので給与はもらえる事はなく、あくまで一般就労を目指す場所です。利用にあたって年齢制限もほぼなし(18歳から65歳未満まで。)なので中途障害の方も使えます。

【2】福祉的就労で最低賃金以上で働きたい(就労継続支援A型)

将来的には一般就労を視野に入れながらも、十分な配慮のある中で働く経験をつめる場所です。就労移行支援事業所と異なり、働く場所で給与(福祉就労の場合は工賃って呼ばれますね)がもらえます。就労移行支援と違って働く場所なので利用期間に限度はなく、ずっと働き続ける事ができます。最低賃金が適用されるので、経営がしっかりとされ給与として還元を多くしている事業所さんもありますが、経営の難易度が高く全国でも税金の補助をあてにせずとも黒字経営している事業所はほとんどないのが実情です。平成29年の全国時給の平均は818円。1か月の給与は74,085円です。

【3】手厚い配慮で働きたい居場所もほしい(就労継続支援B型)

居場所+働く場所です。就労継続A型より障害配慮が多く必要な方が働かれています。給与はもらえますが最低賃金除外となっており、平成29年の全国時給の平均は205円。1か月の給与は15,603円です。

閑話:就労継続支援B型の1か月の給与は毎年増加傾向にあるものの、それでも一か月で15,603円です。短時間しか働く事ができないなど様々な背景ももちろんあるのですが、この状況を経営の視点を入れる事で改善できないかと動かれた方が、クロネコヤマトの宅急便の創業者、故小倉昌男社長です。この本に株式会社FVPの代表の大塚さんが登場されるのですが、本を読んだ後にいてもたってもいられず大塚さん(旧福祉ベンチャーパートナーズ)にAPOをとって話を聞いてもらいました。若かりしバイタリティーあふれるお父さん時代が懐かしいです…。

【まとめ】

一般就労を目指す専門学校が就労移行支援事業所、働く場所じゃないので給与はもらえない、2年しか使えない。働く場所(給与もらえる)は就労継続支援A型とB型がある、障害配慮が多く必要な場合はB型、一般就労も将来的に目指したい場合はA型いずれもずっと働き続ける事ができる。

お子さんの為にも「障害児子育て支援でる単」も合わせて頭の片隅に残しておいてください。きっとお子さんだけでなく、あなたの事も助けてくれる情報になってくれるはず!


作成:2020年1月2日

ちゅう用memo:180+15

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