アフターコロナ、初ライブ

これまで、気が向いたらふらりと行けていた場所に行けなくなり、ここ2年と少し、悶々とした日々を送ってきた。完全に安心しておでかけ、ではないけれど、徐々にそんな閉塞的な生活から抜け出す必要を感じていたところに、多分似たような思考回路の知人から「ライブ行こう！」とお誘いがきた。
さすが長年の付き合い。わかってる。

まだまだ終息には程遠いからと、人の集まる場所への外出は、眉を顰める方もいらっしゃると思う。若くないんだし、我慢すれば？と言いそうな知人もいる。（←そういう人には報告してない）

自粛生活、サブスクでさまざまな音楽を聴いた。
配信ライブも結構見たと思う。
けれども、やはり、生音のライブでなければ得られない、言葉にできないモノがあること、身をもって確信した。

久しぶりのライブは感染対策のため、マスクをして、声を上げてはいけない。我々観客から発することが出来る音は拍手のみ。音量からすると、ほぼ一方通行な音のやりとりになるわけだ。そんなんで、ライブ楽しめるのかなと始まる前は少し疑問に思っていたが、始まってしまえば、ライブは思った以上にライブだった。
声が出せない分、観客が拍手に乗せる想いが会場中に鳴り響く。
手を振って、身体全体で楽しんでることをアピールする。
コロナ前のライブよりもよっぽど、ステージと客席が一体となったライブを楽しめた気がする。会場にいる誰もが、ライブが出来ることを感謝し、音を楽しみ、愛しんでいる気がした。
声が出せれば、もちろんもっと盛り上がるのかもしれない。けれど、今出来る方法で、みんなが最大限にライブを作り上げる様が、本当に楽しかったし美しかった。

途中、ふいに懐かしい昔の曲が始まり、たまらず涙が溢れた。
あぁ、またこの曲を、生きているうちに、こうして生のライブで聴けて良かったと、心の底から思った。
まさか、こんな風にこの曲を聴くことになるなんて、思ってもいなかった。

最後まで一瞬たりとも気の抜けない、充実した時間だった。
ホールで、座席は満員御礼、人はぎゅうぎゅうで、ちょっと怖いなと正直思ったけれど、本当に行けてよかった。