脱皮動画でエネルギーを貰えた
私は脱皮の動画を見るのが好きだ。
亀の甲羅やトカゲの皮膚が、少しずつペリペリいくのも良いが、甲殻類が一気に硬い殻を破ってくるのもドラマを感じてしまう。
そんな流れで見つけたロブスターの脱皮動画。
激しく心を持っていかれた。
動画主によると、そのロブスターはお節の売れ残りを譲り受けたものだという。
信じられるだろうか?!
〈お節の売れ残り〉!!
順当にいっていれば、もう既に誰かのお腹に入っててもおかしくない状況だ。
それをかい潜って生き残っているだけでも、たいへんラッキーなのだ。
さて。
そのロブスターがここ2週間ほどエサを食べていないという。
動画主の今までの経験から(もしや脱皮に入るのでは?)と思い、カメラを回したとのこと。
脱皮中に語られる、脱皮不全でチカラ尽きたという、かつて飼育していた甲殻類の思い出の数々。
そう。
脱皮は生命がけなのだ。
甲殻類に気力というものがあるかどうかはわからない。
しかし、こと甲殻類に関しては、脱皮しきるまで自力で頑張るのを見守るのみだ。
殻が少しずつ浮き上がり(キレイに脱皮できるだろうか?)とハラハラする。
特にエビやカニはハサミがでかい。
ソフトシェルのうちに大きい部分まで抜け切らないと、生命の危機に直結する(と、動画主が言っていた)。
背中の部分から目玉が出るまで、かなり時間がかかっていた。
しかし問題はハサミだ。
これが中々出てこない。
まさか?!
いや、いけるだろ!
目玉の下からにゅるんっと触覚がカオをだす。
よっしゃ!
あと少し!
BBAなので、ついつい声を出して画面に語りかけてしまう。
しゅるっと新品のロブスターが完全体で姿を現した時にはもう、私の身体中がスーパーポジティブなエネルギーで満ちあふれてしまった。
ありがとう、ロブスター。
君がお節で売れ残ってなければ、そして動画主に逢わなければ、このエネルギーはもらえなかった事だろう。
やはり脱皮動画はよいものだ。
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