『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』感想 (2020/6/12)【転載】

(インスタから転載)

Little Women (2020)
directed by Greta Gerwig

2回観たけどまだ観たい。
頼むからみんな観ろ。
しかし、邦題はなぜこうなってしまったのか?ストーリーオブマイライフ?わたしの若草物語??
まあ、4姉妹それぞれの人生って感じで若干納得はいった(でもこの邦題は好きではない)。


気を取り直して。
衣装がとても素敵。ただ素晴らしいだけでなく、ジョーが執筆する時は特定のジャケットを着るとか、ジョーがローリーに指輪をあげる場面でローリーが着てたベストを、ローリーがジョーにプロポーズする場面でジョーが着てるとか。
エモいが過ぎる。

本作観賞後に1949年版を観たのだが、ジョーが “CHRISTOPHER COLUMBUS!!!” (おったまげた!)を連呼していて、2回目観に行った時に注意して聴いてたら “Christopher Columbus...” ってちゃんと言ってた。

メグはいわゆる”普通”の女の子に描かれている。結婚もしたいし子供も欲しいし裕福になりたい。でもそれを否定するでもなくきちんと描いている。ストーリーオブマイライフってことですね!
個人的に、笑っちゃいけない場面(?)で「んふふ」ってなっちゃうのが可愛かった。エマ・ワトソンはブロンドのイメージがあったがブルネットも似合うね。

ベスは、何というか良い子すぎて現実味がないんだよな…。彼女の描き方は49年版の方が丁寧だったかもしれない。
私はなんとなく”良い人”が好きではない。”自我”が見えないというか、掴みどころがない感じがしてしまう。
良い女の子は天国へ行ける…。

メグの結婚式シーンでそこはかとないミッドサマーを感じた。いやだってフローレンス・ピューがいるから…。
件の映画のせいで彼女が苦手になってしまったのだが、エイミーもあまり好きなキャラではなかった。でも原作よりは理解できたかもしれない。
末っ子でいつも誰かと比べられて、天才になりたくても自分は中庸であると気付いてしまう。叔母から謎の期待をかけられる。
はたから見れば、欧州留学して好きな男と結婚しててラッキー!かもしれないけど、他の子より悩みが少ないわけではない。

本作の見どころ。
ティモシー・シャラメのツラが良い。
『キング』のおかっぱ頭すら様になっていたのだから、オスカーで最優秀衣装賞を獲った作品で映えないわけがない。『レディバード』で共演してたシアーシャ・ローナンとの掛け合いよ…。
『君の名で僕を呼んで』は雰囲気は好きなもののあまり刺さらなかったけど、今回のプロポーズシーンはとても良かった。このローリーがフラれるとこ好きすぎてDVDでそこだけ5回くらい観る。
私は上手くいかない人たちを見るのが好きなんだと思う。上手くいくと「良かったな!」以上の感情が生まれないけど、上手くいかなかったら過程を振り返って悩むのが楽しい(何か語弊がある)。あとジョーが自分を貫いてくれて良かったと思う。

私がFtXのアセクシャルだからこの作品はすごく刺さったのだけれど、これが他の人にちゃんと伝わるのか分からない。ジョーが「女にも野心はある、結婚が幸せだなんて思わない、でもどうしようもなく寂しい」という台詞。
私も「恋愛したこともなければ結婚もしたくない」と言うと「まだ好きな人に出会ってないだけ」「そういう人ほど結婚する」と言われ、それを聞くと我が心に住まうチンピラが「湾に沈めたる」と騒ぎ出すのだが、ここで言いたいのは貴様と私は違う人間なのだから幸せの形も異なる、ということです。誰からも認められる必要はないけど、否定され続けると疲れてしまう。

原作者オルコットが生涯独身だったことを踏まえると、本当にジョーは独身のはずだったけど経済の理由で結婚させられたのかと思ってしまう。笑
観客にぶん投げのラストで良かった。

取ってつけたように現れるベア氏(原作通りなんだけどね!笑)役のルイ・ガレルって『グッバイ・ゴダール』のゴダールの人か…!髪型って大事やな…!

最近、同性愛の映画は普通になってきたから、そろそろアセクシャルも普通になるといいな。
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#film #movie #littlewomen #映画

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