私の女性ホルモン分泌のためのときめきエピソード「鳩時計」
身体のホルモンバランスを整えるために過去のときめき恋愛エピソードをば失礼。
「あなたは我が家の鳩時計みたいな人」
これは高校時代付き合って、別れて、大学時代また付き合って、別れた、そんな恋人からもらった最後のメールの一文。
高校時代
夜中にこっそり電話する時は彼はリビングで、私は部屋で布団をかぶって電話した。
とりとめのない話をひそひそと話す。耳元でささやく彼の言葉は普段よりずっと甘く聞こえる。
すると彼の家の鳩時計が鳴る
”パッポー パッポー”
「まぬけな声でしょ?子供の頃からこんな感じ。パッポーって。」
この”パッポー”が聞こえると私は布団のなかでくすくす笑う。
幼くて穏やかな日々はいつの間にか過ぎ去り
何年も付き合ったり別れたり、本当の最後の最後はお互い完全な終わりを感じていた。
どちらが悪いでもなく、嫌いになったでもなく、ただ一緒にいられなくなった。
いつもいつでも想い合っていた彼からの最後のメール、その本当に最後に書いてあったのは
今までの感謝とか、謝罪とか、そんな言葉でなく
「あなたは我が家の鳩時計みたいな人」という一文で締めくくられていた。
ふいに、あのまぬけな”パッポー”とかつての幼い恋人たちのくすくす声が耳の奥から聞こえてくる気がした。
彼の実家の鳩時計はまだそこにあるのだろうか
今でも変わらず”パッポー”と鳴くのだろうか。
もう随分古いものだろうし、壊れてしまっているかもしれないな。
それは寂しくもあるが、ほっとすることでもある。
どうかいつまでも幸せに。
ときめきレベル72/100点中
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