ぶらり関西みて歩記(あるき) 大阪の文学碑
〔第8回〕
折口信夫
■10代で才能が開花
折口信夫(おりくちしのぶ)は明治20年2月11日、大阪府西成郡木津村(現、大阪市浪速区)に生まれる。生家は戦災で焼失してしまい、今は残っていない。
小学校時代から、古典をはじめ広い分野の文学に親しんだ。天王寺中学時代には校友会誌「桃陰」に「都賀野の牡鹿」という作品を発表したり、「文庫」「新小説」といった文芸誌に投稿した短歌が入選したりするなど、早くから奇才ぶりを発揮している。
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