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忘れられない諺 #シロクマ文芸部

「咳をしても金魚」
という言葉が忘れられない。

元々は
「欠伸をしたら金魚  咳をしても金魚」
という諺だ。

これは、
お祭りの際に歩き疲れて眠たくなっても、たとえ風邪をひき始めてしまったとしても、どうしても金魚すくいだけはやって金魚を持ち帰らないと気が済まないという子供心をとらえた諺で、
転じて、
①どんな事があろうが欲しい(物)
②絶対に叶えたい(事)
という意味で用いられる。
例として、
俺は明日のゴルフコンパで優勝を、欠伸をしたら金魚 咳をしても金魚 だぜ!
などというかたちで用いられる。


小学校の低学年のまだ少年時代、私は両親に連れられて町内会の祭りに出掛けた時の事。
母親の手を握りながら盆踊りをする人達を見ていると、浴衣を着た綺麗な近所のお姉さんの浴衣の裾がはだけ、白い太ももが見えた。
そこで私は生唾をのみ損なって噎せてしたったんだな。
心配した母親が「大丈夫?風邪でもひいたのかしら、咳が止まらないわねぇ、もう帰りましょうか」なんて言い出して、嫌がる僕の手を父親も協力して家まで連れて帰らされた事があるんだ。
私はまだ小学生みんなに配られるお菓子を受け取っていなかったし、金魚すくいもしていない。それにもう一度あのお姉さんの白い肌を見たかったし、同じクラスのみよちゃんにもまだ会っていなかったので凄くがっかりした事を今でも覚えている。

だから私の中では
「咳をしても金魚」という言葉が未だに思い出されるのだ。
であるからして、私の中での「金魚」はもちろんあの綺麗なお姉さんの白い太ももであり、会えなかったみよちゃんの事に変換されて脳内に刻まれている。




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