嵐の夜
こんな嵐の日になんて誰も来るはずないよな。
バイトを早く帰したあとのカウンターの端っこで、私はひとりつぶやいた。
閉めきった店内には風は入ってこないはずなのに、テーブルの上のキャンドルの炎が大きく揺れるのが、壁に照らされたやわらかいオレンジ色のゆらめきでわかった。
カランカラン
店のドアが開くときの鈴の音がした。
振り向いたが、誰もいなかった。
ドアを開けて確かめる。
やはり誰もいない。
店の前の通りに出てみると、少し先の方に傘も差さず歩く青いワンピースを着た女性の後ろ姿が見えた。
不思議に思ってしばらく見ていると、ゆっくりとこちらを振り返った。
長い髪が風に煽られ、舞い上がった。
顔があるべき箇所には黒い空洞しかなく、その先に赤く光る信号が見えた。
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