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「見てる」に隠された期待と踏み出す勇気[子育て小話]

季節は秋。運動会シーズン。
我が家も初めての運動会がすぐそこまで迫ってきている。
運動会の通し練習がはじまったという風の噂を聞き、娘にちょっと探りを入れてみた。

「お歌うたってる?」
「うん、大きい声で歌うんだよ!」
「かけっこ楽しい?」
「うん、楽しい!」
「ダンス楽しい?」
「……みてる!」

笑顔で答えたので「そっかぁ」と笑顔で返す。
そう、人前で何かをするのが苦手なのである。特にダンス。
基本的に「間違える」事を気にするとは思っていたが、やはりその素質はここでも発揮されていた様子。
結果ではなく過程を大事にする我が家では「ま、予想通りだね」と受け流していたが、園の先生はそうじゃなかった。

「手を持ってあげるといっしょに踊るんですよ」
「多分、やりたい気持ちはあるみたいで」
「色んな方法で誘ってみますね!」

なるほど。と思った。
やりたい気持ちとやれない気持ちが混ざり合う年齢の娘。
確かに1回できてしまえばそれは大きな自信になるかもしれないし、先生の期待に応えたいという娘の向上心を刺激するかもしれない。好奇心旺盛な娘はこの経験でまた一つ大きくなれるかもしれないし、プレッシャーに耐えられず直前で心が折れてしまうかもしれない。

親としては確実な道を歩いてもらって見守っている方が安心できるが、社会に出て守ってあげられる範囲から少しづつ出ていってるのを頼もしくも思う。
運動会まであと数日。どんな結果が待っているか楽しみにしたい。

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