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#4 ちょっと寂しい

 仕事の帰り道、取り壊されていく建物を見て、なんとなく去年の出来事を思い出した。

 去年、江別のゲストハウスに訪れたとき、ほとんどの人が初めましての状態で会話に混ぜてもらった。いろんな話を聞いて、夜中、最後の方は死生観のお話になった。
 「自分が死んだ後に、自分がいない世界が続いていくのが怖い。嫌だ」という意見と、「いやもう何にも怖くないから速やかに土に還りたい」という意見の二つに分かれていた。私は後者。
 前者のお話を聞いていたときはその怖さが全然ピンと来なかったけど、自分とは違う考えを聞くのが楽しかった。新鮮だった。いやー楽しかったな。

 さっき、仕事の帰り道。気付いたら前まであった建物が無くなってた。ただそれだけなんだけど、ちょっとだけ寂しくなった。
 別に思い入れのあるお店が無くなったとかそういうことではなくて、あったものが無くなったってだけなんだけど。
 無くなっていくものもあれば新しく増えるものもあって、ぼやっと過ごしているうちに、実は景色が変わっているんだな〜〜って思った。こうやって街の景色はどんどん変わっていくんだなー。そこに自分なんて全く関係なくて、知らないうちにどんどん変化していく。自分が知らないものになっていくの、ちょっと寂しいな〜って思ってたら、ふと去年のゲストハウスでの会話を思い出した。多分合っていないけど、こういう気持ちが大きくなったら、自分がいない世界が続くのが怖いって気持ちに繋がっていくのかな〜と、物思いに耽りながら帰るの、少し楽しかった。 

 

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