連盟・前原の遅ポンの裁定に見る麻雀のルールの脆弱性
前原の遅ポン
2023年9月5日、第40期鳳凰戦A2リーグ第6節C卓・4回戦南1局1本場の出来事。対局者は近藤久春・紺野真太郎・柴田吉和・前原雄大、立会人を藤島健二郎が務めていた。
この局、親番の柴田が発切り。それに対し西家の前原がポンを発声した。しかしそのポンが聞こえた時点ですでに南家の紺野はツモを行ってしまっていた。さてこの場合、どう裁定するか?
紺野の先ヅモになるのか、前原のポンが遅いとなるのか。そしていずれの場合でもペナルティはどうするのか。ポンはできないのか、アガり放棄になるのか、チョンボ扱いか…などすぐには判断できない場面である。
ここで紺野が立会人の藤島を呼んで裁定を求めた。まず藤島は前原の発ポンが遅かったということで、発ポンは成立せずでそのまま局を続行し、アガり放棄などのペナルティは与えない、と裁定した。
しかしそこに紺野からの待ったがかかる。以前のポンが遅くなった場合の裁定ではアガり放棄になっていた、と尋ねる。そこで藤島は一度対局室を出て、ルールの確認をこの対局の解説をしていた瀬戸熊に行う。
しばらくの話し合いの後、結局アガり放棄などのペナルティは無しでそのまま続行となったが、ここでもう一つ紺野から物言いが入る。
ポンに対してペナルティ無しの続行はいいとして、ポンが遅くなったということは、そこで発声した「ポン」というのは対局中に必要な発声ではなく「私語」に相当するのではないか?その場合、私語の対してのペナルティはないのか?という確認である。ただこのポンの遅れに関しては映像では後からは確認できず、対局者の方にしかどの程度遅れていたかが分からない。
ここは対局者・立会人の藤島の判断を総合して、最終的にはこの場面は発ポンは成立せず、アガり放棄などのペナルティは無し。ただしこのポンが遅かったことに対して、後日イエローカードなどのペナルティが与えられる可能性はある、という裁定に落ち着いた。
放送の空気感
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