黒い職場見学 (B社 その3)

B社での2年目は、場所を移動した。
物理的な移動で、若干通勤時間が短くなった。
当時は勿論派遣に交通費なんて出ない時代だったので、なるべく乗り換えをせず、歩いて節約。
好きな街だったので、そこは苦にならなかった。

B社でも、各部署に一人ずつ派遣社員が在籍していて、何故か「お昼は一緒に食べましょ〜」な文化が続いていた。
まぁ、派遣ならではの愚痴もあるよね…でも実は私団体行動嫌いなんだけどなぁ。
毎日、各部署の休憩スペースを持ち回りのように巡って…結局女はヒートアップして大声になるから、派遣ならではの社員への愚痴も丸聞こえだったと思う。
面倒くさいなぁ〜でもとりあえず巻かれておくか…そんな調子でヘラヘラと過ごしていた。

ところがその後3ヶ月周期で、派遣社員達の変化が見えてきた。
派遣社員は私を含め女5人がいたのだが…。
まず、総務にいた派遣社員が、3年満期で終了になった。
通常ならこの人がお局様なのだが、主張が穏やかでいつも調和を優先する人だったので、「真のお局様」にはならなかったのだ。
そして、この人と入れ替えに、不思議な派遣社員がやって来た。
不思議過ぎて…後述。

次の3ヶ月後に、隣の部署の派遣社員が辞めた。
後任は無く、本人とB社で同意した上での終了らしい。
同時に、派遣社員総出で、ある一つの業務に当たることになった。
一箇所に集まって、派遣社員4人で、スキャン作業…当面コレをやれと。
女4人が集まるとどうなるか…本来はモクモク作業も、お喋り大会になってうるせぇうるせぇ。

3回目の周期では、総務の不思議派遣社員の双極状態が、表面化してきた。
B社2年目のこの場所での「真のお局様」は、「派遣総出の業務」を発案した部署の派遣社員。
在職期間は私の次程度なのに、やたらと姉御肌…だからこそ持ち回りの昼食会も、彼女が殆ど取り仕切っていたのだが。
不思議派遣のテンションの浮き沈みが、お局様にとっては「何コイツ?」に見えたらしい。
まぁ確かに…急にハイになったり静かになったり…「何だろうこの人?」とは思ったけれども。
ヒソヒソ、コソコソ…お局様は極力不思議派遣を遠ざけるようになったし、不思議派遣自身も仕事以外では口を開かなくなってきた。
…これって険悪ムード?仕事場で仲間割れはやめてくれよ。
だから群れるのは嫌なのにな〜…正直私も便乗したかったが、お局様に歯向かう勇気は無かったので、声の大きなお局様の愚痴に「あーそーっすねー」と頷く事しか出来なかった。
そしてその時点での在職期間最年長派遣社員が、次第に体調を崩すようになって来た。
「今日も調子悪いんだって〜大丈夫かな?」とお局様は心配するけれど、他人事だしプライベートに介入するつもりも無いので「心配ですねぇ」と返すだけの私。
あーっ、面倒くさいな〜、だから団体行動とか派閥とか嫌いなのにな〜。
私も休みがちな人と一緒に、辞めようかなっ、辞めちゃえ!今度こそ正社員目指そう!

事業再編や何やらと重なった時期なので、私ともう一人の派遣社員が抜けても、B社は後任を入れなかったらしい。
かくしてB社のこの場所に翌年残ったのは、不思議派遣とお局様の2人だけになった。
次第に不思議派遣も辞め、お局様も契約打ち切りになったのは、この後半年位してからのお話。

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