黒い職場見学 (B社 その2)

B社では、勿論正社員がメインだが、派遣社員も一定の割合で働いている。
一定の割合と言うか…まぁ規模は大きく無かったので、1部署に1人、といった所。
そこでどんな業務に当たるかは、部署次第…殆どは一般的な雑用や庶務、そこに部署独自の業務(スキルや能力は問わないレベル)が入る感じ。
特に教えて育てるような事が無かったのは、「だって派遣さんだからね〜(覚える必要無いでしょ〜)」と皆が理解していたから。
新卒正社員は他にちゃんと居るので。
…新卒派遣で働くには、荷が軽くて都合が良かったのかもしれない。

B社では場所を変え2年勤めたが、1年目も2年目も、どちらの場所にも「お局様」がいた。
ま、よくある事、フツーの事、長く勤めれば誰でもそうなる事。
1年目のお局様は…ヤンキーだった。

ヤンキーだから?神は黄色に近い茶色。
え、社会人なのにそこまで色変えちゃって良いんだ…大学ではファッションとして極端な色は無くはなかったけれど、「THEヤンキー茶髪」は見かけなかったので、少々驚いた。
彼女は喫煙者なので、オジサン達との会話も円滑。
…ほーぉ?
別の部署だったので日中に話す事は無かったけれど、食事会などでは一緒になるので、正直正反対の私としては、息苦しかった。
多分、彼女も同じだろう…大卒だけど特に何の資格も無い「社会人経験ゼロ」の後輩派遣、しかも全くタイプが正反対なのに、どうやって接したら良いのやら…恐らくそう思われていたはずだ。

そのうち、自分の仕事内容の単調さと、隣席の煙に嫌気がさした。
お局様の仕事は、常に人とのやりとりが発生する物で、毎日ほぼ残業状態。
私は只管コピーやスキャナーに向かい、時間でアッサリ区切って帰っていく…。
いいのか?コレ。
食事会の席でお局様は喫煙者のオジサン達とぎゃあぎゃあ騒いでいるけれど、私は…非喫煙者のオジサン達と無言でご飯を食べるだけ。
…いいのか?コレ。
今だったら「コツコツ黙々作業歓迎、黙食歓迎、むしろ会食行きたくねぇ」だけれど、その当時は、何だか仲間はずれと言うかお荷物になっているような気がして、居心地が悪かったのだ。

「2年目は場所を変えたい」なんて、派遣のクセにそんな物言いが通用するのがB社とその派遣会社だった。
特に理由も告げずにしれっと移動(異動ではない)したけれど、お局様にとっても「よくある事」で済んでいたようなので、セーフ。
「そうよね〜派遣なんてそんなもの」…今のご時世と比べたら、派遣と言うよりもアルバイトのような感覚に近いだろう。
…物凄い時代でしたね、そして失礼な時代でしたね…だから人生流離うようになっちゃったのかなぁ。


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