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みーちゃんとママ①

みーちゃんはこの春四歳になり、ぱんだ組からきりん組になった。今までいたぱんだ組のお部屋には、隣の建物にいた赤ちゃんたちがやってきた。赤ちゃんといってもみーちゃんとは一歳しか変わらないのだけど、みーちゃんは「赤ちゃんがきた」と思っている。みーちゃんは自分がお姉さんになったのだと思って嬉しい。
みーちゃんには弟がいる。弟は二歳で、隣の建物のうさぎ組さんにいる。みーちゃんと顔がそっくりだと言われるけれど、性格は全然違う。みーちゃんが少し神経質で人見知りなのに対して、弟はおっとりしていて人なつこい。弟は他のお友達からも人気があるし、先生たちにも可愛がられている。みーちゃんはと言えば、ママがお迎えに行くといつも部屋の隅で一人で遊んでいる。三月生まれのみーちゃんはクラスでは一番小さく、一生懸命ぬり絵をしても他のお友達から「ぐちゃぐちゃじゃない。変なの」と言われてしまう。そのうちみーちゃんは大好きだったぬり絵をするのをやめてしまった。
そういうわけで、みーちゃんは保育園が好きではない。ときどき熱があると、保育園をお休みすることになる。ママも仕事を休んで、家でお掃除やお洗濯をする。そしてみーちゃんと一緒に横になって、おでこに手をあてて熱の具合をみたり、冷たい飲み物を用意してくれたり、抱っこしてくれたりする。みーちゃんは熱がでないかな、と毎朝思う。でもママが熱をはかると熱はない。そして、みーちゃんはパパが運転する自転車の前と後ろに弟と乗って保育園に行くのだった。
みーちゃんのママはお仕事をしている。ママとパパは同じ会社で働いている。朝はパパがみーちゃんと弟を送って出勤し、夕方はママがみーちゃんと弟を迎えに来て家に帰る。家に帰るとみーちゃんと弟はジュースとおやつをもらう。ママも一緒に少しだけ休憩して、それから洗濯物を片づけたりごはんを作ったりする。みーちゃんと弟はおやつを食べながらテレビをみる。
それから三人でお風呂に入る。古いマンションのお風呂は狭いのでぎゅうぎゅうで入る。みーちゃんは目に水が入るのが嫌いなので、ママに髪を洗ってもらうときには目をぎゅっとつぶる。お風呂からあがるときにはタオルで体をふいたあとに子ども用のバスローブをママが着せてくれる。それを着たまま、ママがお風呂から上がるまで弟と遊ぶ。最近は弟も自分でお着替えができるようになったので、ママがあがってくるまでにパジャマに着替えて褒めてもらうことも多い。
お風呂の後にごはんを食べているとパパが帰ってくる。パパはごはんを食べるとソファで寝てしまって、ママに「お風呂に入りなさい」と言われる。パパはお風呂でも寝ることが多いので、みーちゃんと弟はお風呂場にパパが寝ていないか見に行ったりする。
パパがお風呂をあがるともう寝る時間だ。みーちゃんと弟は歯みがきから逃げ回ったり、パパにおうまさんをせがんだり、お布団の上でパズルをしたりしてなかなか寝ない。たいてい、ママがちょっと怒って電気を消して、みーちゃんは隣で寝るママの腕をつねりながら眠りに入っていく。

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