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新年から全経理担当者に伝えたい 電帳法&インボイスの負担を減らす文具の話

世界で最も使われているカメラは「iPhone」である

そんな話もあるくらい、iPhoneを始めとするスマートフォンは私達の生活に欠かせない道具となっている。
2007年に発売された初代iPhoneから、現在の最新モデルまでの累計販売台数は23億2,000万台を超えた、との推計値もあるそうで、その1台1台にカメラ機能がついていると考えればそれも頷ける話だ。

更には、iPhoneであれば基本の「メモ」機能から、書類のスキャンがショートカットで選べるように、書類のスキャンも当たり前にできるようになってきた。

初代iPhoneで200万画素だった画素数も、iPhone15のカメラの画素数は4800万画素。
そもそもカメラの画素数がドラゴンボールばりに数値をインフレさせていったので、画素数の話なんてこの頃しなくなってきたぐらい、スマホのカメラの画素数が高いのは当たり前になった。

書類を真上から撮影できなくても、台形な形状を四角に補正だってしてくれる。
スマホはいまや、誰もがもつ高品質なカメラであるとともに、「スキャナ」とも言える。

実際、2024年1月から本格的に義務化される「電子帳簿保存法」でも、スマートフォンのカメラは領収書を電子化する「スキャナ」として認められている。

だがしかし、「カメラ」としての性能はずば抜けているスマホにも、スキャナと比べると物足りないところがある。
それは、カメラだけで対応できない「痒い所」にスマホではまだ手が届いていないからだ。

皺がついた紙はさすがに補正できなかったり、
クリアホルダーで皺を伸ばしたら天井照明の反射が映り込んだり、
角度によっては自分の指やスマホの影が入っちゃったり、

スマートフォンでのスキャン機能はもっと快適にできるはずだ。

そんな想いで2022年からオリジナルで作り始めた文具「レシートスキャンボード」のことを今回は改めて皆様にご説明したい思っている。
そこには、2024年1月から義務化する電子帳簿保存法だけでなく、2023年10月から始まったインボイス制度が大きく絡んでいる。

そう、全てはこの日のために、2年前から準備してきたのだ。
今回は、スマホに足りないスキャナ機能を埋めるニッチな文具「レシートスキャンボード」のお話をさせてほしい。

インボイスと電子帳簿保存法に立ち向かう手段としての「スマホスキャン」

「スマートフォンがあればレシートのスキャンも簡単!」

そんなCMをよく見ないだろうか?
2023年10月からインボイス制度がスタート。
2024年1月からは遂に電子帳簿保存法が義務化されるため、会計ソフトは全力でテレビCMで露出を高めている。

実はいまだに結構誤解している人が多いのだけど、電子帳簿保存法が義務化されたからといって、スマホやスキャナで紙の領収書を電子化する必要は必ずしもない。
あくまでメールでやり取りしたり、PDFでダウンロードした領収書や請求書を「わざわざ紙に印刷して保管したらだめ」になったのが2024年1月1日からの大きな変更点だ。
このために、取引先にこれまでメールで送っていた請求書を「印刷して郵送してくれ」と依頼するケースまであるというのだから、現場の混乱は容易にみて取れる。
個人事業主である自分からしても、紙で印刷して一括保管するほうが手間としては楽なのは理解できるし、パソコンが苦手な人からすれば、電子帳簿保存法の義務化は正月返上で頭を悩ませる一大イベントと言えるかもしれない。

じゃあ、紙の領収書をわざわざスキャンする必要はないのではないか?
そう思ったあなたは正しい。
電子帳簿保存法への対応だけを考えるのであれば、必ずしも領収書をスマホやスキャナへ電子化する必要はない。
やりたい人や会社だけがやればいいのだ。

しかしながらここで合せ技として出てくるのが「インボイス制度」
領収書を受け取った側が、領収書に記載されている「インボイス番号なる13桁の数字」を確認して、それが本当にインボイス制度に登録されているお店や事業者の番号なのかを確認しなければならないという超絶手間隙かかるチェック機構が制度上ぶん投げられていて、既に多くの事業者の事務作業として負担になっている。

OCR機能で試しに手書きした番号を読み取った様子。
会計ソフトによってはこのように自動で検索まで実施されたりする。

インボイス制度に登録している個人事業主や会社は、2割特例などのなんらかの免除を受けていない限りは、その億劫な入力作業を経理の際に人力で行うか、写真から文字情報を読み取る「OCR機能」によって自動入力するなどの効率化をしていく必要があったりする。

もちろん、インボイス登録番号だけでなく、日付や金額まで自動で読み取り、勘定科目まで予測してくれる。
更に、せっかくスキャンしたのだから、そのまま会計ソフトの管理のもとで「電子帳簿」として保存してしまえば、レシートの原本は廃棄してもよい。
そんな流れが生まれている。

ここで冒頭の話に戻ってくる。
スマートフォンでの領収書のスキャンは、本当に簡単だろうか?

領収書をスマホで撮影しようとすると、領収書を掴んだ指、スマホや撮影者自身の影が映り込んでしまう。
ただただ、レシートから情報を読み取るだけの家計簿ならそれでもいいが、領収書の原本代わりに保管する電子帳簿保存の観点からすると、読み取れない部分が出てくると後々問題がでてくるのは目に見えている。

更に、領収書をテーブルの上で撮影するなら、テーブル上にきちんとスペースの確保も必要となる。
もちろん片付けておけば済む部分も大いにあるけれど、わざわざレシートのスキャンのためにスペースを確保するのは意外と面倒だったりする。

更には適当にポケットに突っ込んでしまった領収書は、カメラでのスキャンの大敵だ。
皺を伸ばそうとしても、立体的に起き上がってしまって、さすがにスマホの自動補正でも対抗できない。
それならばと手近にあるクリアホルダーに挟んで撮影しようとすると……、天井照明の光が反射して映り込んでしまい、文字などが白飛びしてしまうこともある。
細かいことだけど、こういった白飛びについても電子帳簿保存の条件として満たす・満たさないといったルールがあるため、きちんと対応しなければならない。
そう考えると脳裏には、自分ではない誰かが適当にスキャンした領収書に苦しみながら、社内の監査で指摘されて怒られる自分の姿しか見えてこない。

こういった細々とした苛立ちに我慢できなくなった私は、誰もまだ電子帳簿保存法を気にしていない時期に、領収書をキレイにスマホ・カメラでスキャンできる文具を開発し始めた。
別に電子帳簿保存法にすぐ対応しなければならないわけでもないのに、サラリーマン時代にも業務改善をやりまくってきていたので、やらずにいられなかったのだ
それが2022年に誕生した「レシートスキャンボード」だった。

人気の秘密は「低反射」 レシートスキャンボード

クリアホルダーでクシャクシャなレシートを伸ばそうとすると、クリアホルダーに天井照明が反射する。
そんなことをこれまで気にしたこともなかった。

しかし、反射するのなら反射しにくい素材を探せばいい。
そんな軽い気持ちでデスクマットの老舗であるMIWAXさんに相談したことから開発は始まった。

左・クリアホルダー 右・低反射シート

見つかったのは、事務所で蛍光灯の光が反射しすぎる!という声から生まれたデスクマット素材。
上の動画のように、LEDで強めの光を投げかけても、表面のでこぼこが光を分散させることで、光が点ではなく面で当たる効果を生み出すことができることに気がついた。

更にオリジナルで作ったボードに、マグネットで低反射シートを固定することでこの通り。
しわしわなレシートも、挟んで押さえてあげるだけで、きれいに伸ばしつつ反射もなく撮影できる道具が出来上がった。

レシートの白色の紙と最もコントラストが強い「黒色」を背景にすることで、レシートの「縁」をアプリが認識しやすいのもこだわりのポイントで、レシートのスキャンの効率を上げることができた。

さらに、想像していなかった利点として、持ち上げて斜めにしてもレシートが落ちにくいことにも気がついた。
この斜めにできることによって、天井照明がそもそも映りにくく、自分やスマホの影もかからず、机のスペースを確保しなくても気軽に領収書が撮影できるという機能性が実現できた。

おかげさまでレシートスキャンボードはメディアにも取り上げられ、たくさんのご注文をいただくことになった。

また、400円で販売していた交換用の低反射シートだけがTwitterで反響を呼び、当初は考えていなかった漫画家さんやチェキのデータ化といった用途でもご注文をいただくことになった。

中には会社用に2000枚をまとめてご注文いただいた会社もあり、実際に社内の書類のデータ化に役に立っていると嬉しい声もいただくことになった。

更なる効率化を スマホをスキャナにする道具「レシートスキャンボードPRO」

レシートスキャンボードを作って1年。
自らも個人事業主としてレシートスキャンボードを活用し、レシートをバンバンスキャンしていったのだけど、他ならない自分自身がもっと快適にスキャンできないかと思い始めてしまった。

お客さんから言われたのなら、これが今できる最高と言って済ませることもあるのかもしれないけれど、他ならない自分自身の声には逆らえない。
そんな想いから発表したのが「レシートスキャンボードPRO」
見かけはほとんど変わらないのに、レシートスキャンボード以上にスキャンが捗るアイテムに仕上がっている。

その最大の特徴は「静電吸着」機能だ。
これまでは原則、レシートを低反射シートとボードで挟むことによる固定しか出来なかったけれど、静電気発生装置を搭載することによって、きれいなレシートは「表面に直接貼り付ける」ことが可能になった。

ただ、「静電吸着」機能はこれまでの商品にも存在していた目新しくはない機能だ。
レシートスキャンボードPROを出す以上は、更にそこを超えなければならない。
そこで思いついたのが、「剥がしやすさ」の実現だ。

静電吸着ボードは「レシートがひっつきすぎて剥がしにくい」という弱点があったのだけど、レシートスキャンボードPROは低反射シートが柔らかいという特性を活かし、これまでにない剥がしやすさを実現することが出来た。

もちろん、シワシワな領収書はこれまで通り、低反射シートとボードで挟むことによってシワ伸ばしすることもできる。

そして背面には角度や縦横を切り替えできるスタンドも装備。
これは、レシートスキャンボードを片手で支えることすら面倒になった私が切望した機能で、実際このスタンドがあるだけでより快適なレシートスキャンが可能となった。

そして、レシートスキャンボードでは対応できなかった「A4サイズの書類」にも遂に対応。
請求書だけでなく、お子さんのプリントや家族で共有したいチラシなど、スマホ・カメラのスキャン機能と掛け合わせることで更に幅広い活躍をしてくれるだけの進化をさせることに成功した。

誰がここまで望むねん。
関西人でなくてもツッコミをいれたくなる気持ちが抑えきれない人もいるかもしれない。
しかしながら気になりだすと放置できない人間性が「レシートスキャンボードPRO」を作らずにいられなかったとしか言いようがない。

恵比寿での先行販売や、ネットストアでの予約販売でも想像以上に好評をいただいているので、同じようなことに困ってる方は少なくともいらっしゃるのではないかと思っている。
なによりスキャナよりは場所を取らず、安価な「レシートスキャンボードPRO」は、スマホに足りない「スキャナ」としての機能性を補ってくれる最先端のアイテムに仕上がっていると確信している。(おそらく競合は少ないが・・・)

スマホがスキャナたりうるその日まで

正直、AIや画像編集がどんどんと進化を遂げる世の中なので、スマホが単体でスキャナとして便利に使える未来はそんなに遠くないように思っている。

でも、その日がくるのを他人任せにしていては、インボイス制度と電子帳簿保存法の改正による業務負担増にただただ苦しむことになるのが目に見えている。
そんな自分がただただ楽になりたくて作った道具たちが、全国の経理に携わる皆さん、そしてスマホをスキャナとしてもっと活用したいと望む誰かの助けになればとても嬉しい。

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レシートスキャンボードはAmazonとBASEで販売しております。
(Amazonは送料360円が予め商品代に含まれているため、まとめ買いや他商品との合わせ買いはBASEでの購入のほうがお買い得となります。)

低反射シートはBASEのみでお取り扱いしております。

レシートスキャンボードPROは2024年2月出荷に向けて10%OFFでの予約販売を実施しております!

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